「チャレンジ、チェンジを」 猪川町の新 人・鈴木氏 大船渡市長選出馬を正式表明

▲ 出馬会見に臨む鈴木氏

 来年の大船渡市長選に立候補の意思を示していた新人でイベント企画業代表の鈴木茂行氏(52)=猪川町=は3日、市内で記者会見を開き、出馬を正式に表明した。「チャレンジ、そして、チェンジを」と訴えたほか、スピード感ある市政運営や人口増加策などに意欲を示した。
 会見には、鈴木氏が単独で臨んだ。昨年4月に行われた市議会議員選挙落選後の経緯を振り返りながら、市長選挑戦への理由を「私のやりたいことは、市議会議員では時間がかかるだろう。スピードを意識しながら、一気に取り組みたい」と語った。
 さらに「女性が魅力を感じるまちになると、『消滅可能性都市大船渡』を回避できる。そうすれば持続可能なまちになり、人口が増え、景気が良くなる」と強調。公約として▽市長の給与20%減▽市議会議員報酬20%削減を要請▽子育て世代への経済支援▽産婦人科、小児科の充実▽人が集まる施設を造る──を掲げた。
 政治活動の中で住民対話などを進め、来年4~5月をめどに追加公約を発表する方針。「ダラダラと長く市長を続けようと思っていない。できれば1期4年、長くとも2期8年で達成したい」とも語った。
 現段階で政党支援の見込みはなく、無所属で臨む方針。「市議選の時は1人で戦い抜いたが、今回は時間がある。支援者を募り、後援会活動も充実させる」と話し、住民との対話や街頭活動、SNSでの発信に意欲を示した。
 現在の市政に関しては「たとえるなら、一般道を安全運転しているイメージ。私は一般道ではなく、高速道に乗ってスピードを意識したい。いいところは引き継ぎ、改善したい部分はその都度行っていきたい」と述べた。
 任期満了まで1年を残す中で出馬表明を行った理由を問われると「市議選の時は、表明のタイミングが最後だった。自分の名前を知らせる期間が短かった。それを繰り返したくない」と答えた。
 鈴木氏は大船渡町出身で、高田高卒。市内での事業所勤務などを経て、平成30年に婚活パーティーの企画や結婚相談、コミュニケーション講師事業などを展開する「婚活支援サービス恋の予感」を立ち上げた。昨年の市議選では、212票を獲得したが落選した。
 市長選出馬を正式に表明したのは、鈴木氏が初めて。3期目の現職・戸田公明氏(72)=猪川町=は態度を明らかにしていない。
 市長任期は来年12月2日まで。選挙日程は市選挙管理委員会で決めるが、11月中の告示・投開票が予想される。市長選と合わせ、市議会議員(定数20、欠員1)の補欠選挙も行われる。
 10月31日現在、同市の有権者数(18歳以上)は3万244人(男1万4412人、女1万5832人)。前回選の投票当日有権者3万1536人と比べて、1292人少ない。