若い力で農業盛り上げを 無人産直をオープン 今年5月に新規就農 立根町の佐藤勇樹さん
令和3年12月10日付 7面

大船渡市立根町の建設業・佐藤勇樹さん(32)はこのほど、野菜の生産、販売を行う「STAR FARM」を立ち上げ、農家として新たな一歩を踏み出した。先月30日には、同町前谷地地内の国道45号沿いに、収穫した農作物を販売するための無人産直もオープン。本業のかたわらで、「太陽とともに生きる農家」をテーマに掲げ、「若者の力で農業を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
以前から農業に興味があり、2年ほど前には新規就農に関する説明を受けに行ったという佐藤さんだが、その時は本業も忙しく、農業を始めるには至らなかった。しかし、「若い力で地域に貢献できることを」との思いから、今年に入って就農を決意し、5月に本格的に農家としてスタートを切った。
畑は、仕事で知り合った町内の地元住民から使っていない農地を2カ所(計約35㌃)借り受けた。はじめは手探り状態だったが、ピーマンを約2600株植えるところから始まり、知り合いや市農協に助言を求めるなどして勉強を重ね、現在はハクサイやキャベツ、ネギ、ニンジンなど7〜8種類の野菜を栽培。佐藤さんやパート職員で畑の管理や野菜の収穫を行うほか、同級生や後輩などの知り合いが、各自手の空いたタイミングで手伝いに訪れるといい、「人とのつながりに助けられて継続できている」と感謝を示す。
農業について多くの人と話をする中で、野菜を買うために遠出する人の多さに気づいたという佐藤さん。「地元で満足のいく野菜を買える場所があれば便利ではないかと思った」と、11月30日には、野菜をより新鮮な状態で素早く手にとってもらうため、町内に無人の産直もオープンした。「一番の売りは新鮮さと、すぐに購入できるスピード感。基本的には、朝収穫した野菜をすぐ産直に陳列し、その後は1日の中で定期的に補充するようにしている」とこだわりを語る。
今後は、1年を通してさまざまな農作物を栽培、提供できる体制の構築を目指す。
佐藤さんは「畑はやらなければいけないことも多いが、何にも縛られずにできる。いずれは農作物だけでなく、地元の海産物や野菜以外のものを売ったり、販売拠点を増やしていくようなこともできれば。『若い人たちが生産販売している』ということを広く知ってもらい、ぜひ買いに来ていただきたい」と呼びかけている。
産直は年中無休で、時間は午前8時30分〜午後8時まで。インスタグラムでも、畑の様子や販売情報を随時発信している。
問い合わせは佐藤さん(℡080・1667・8278)へ。