来春、坪井医師(岩手医大勤務)着任へ 広田診療所 石木所長は本年度で退任

坪井潤一医師

 陸前高田市広田町の市国保広田診療所(石木幹人所長)に来年4月1日、岩手医科大付属病院心臓血管外科病棟・外来医長の坪井潤一医師(55)=盛岡市=が着任することが内定した。所長の石木医師(74)は本年度末に退任し、坪井医師が所長に就く予定。
 10日に開かれた市議会全員協議会で、市当局が着任の内定について報告した。
 坪井医師は埼玉県上尾市出身。旭川医科大を卒業後、埼玉県内にある自治医科大付属の医療センターなどを経て、平成13年から岩手医大付属病院で勤務している。
 今年7月ごろから市など関係機関との協議や視察を重ね、着任が内定。坪井医師は「地元の人のために精いっぱい頑張る」と意欲を語った。
 東日本大震災で被災した広田診療所は平成29年、広田小や広田地区コミュニティセンターなどがある高台に再建された。
 石木所長は、平成16~25年に県立高田病院長を務め、その後、矢作町の市国保二又診療所長、高田町の市保健福祉総合センター所長を務めた。
 在宅医療や介護予防、福祉、介護などの多職種連携に意欲的に取り組み、市内各地域で高齢者サロンの立ち上げを支援するなど草の根的な活動にも尽力。広田診療所の医師退任に伴い、後任を募集していた市の依頼に応えて、昨年4月、現職に就いた。
 地域医療を支えてきた石木所長について、戸羽太市長は「新型コロナウイルスのワクチン接種業務にも協力いただいた。震災前から市民の健康維持のために尽力してもらい、改めて感謝している」と述べた。