海を越えたつながり発展を 「陸前高田✕クレセントシティ」 26日まで姉妹都市交流写真展(別写真あり)

▲ 会場には約190点の写真を展示。アンケート記入者にはクレセントシティのビールとチーズを配布する

 陸前高田市による「2021陸前高田×クレセントシティ姉妹都市交流写真展」は20日、高田町のアバッセたかたで始まった。初日は同町の高田小学校(金野美惠子校長、児童160人)で開会式典が開かれ、陸前高田、クレセントシティ両市の関係者らが東日本大震災後に生まれ、海を越えて育まれてきたつながりが今後さらに発展していくことを願い合った。写真展は26日(日)まで。
 陸前高田、クレセントシティ両市は、東日本大震災の津波で流された高田高校の実習船「かもめ」がクレセントシティ市に漂着し、陸前高田に返還されたことがきっかけで友好関係が続いている。
 写真展は、両市の交流を深めることを目的に、震災から10年の節目に合わせて企画。陸前高田企画㈱と東海新報社が協力した。
 展示会場ではパネル40枚、およそ190点の写真を掲示。平成25年春に「かもめ」がクレセントシティの浜辺に漂着したエピソードに始まり、高田高校とデルノーテ高校の生徒同士の友情、姉妹都市提携締結までの歩みとこれまでの交流、今後の発展の可能性などについて紹介している。
 展示は▽かもめは海を渡った▽友情の始まりは高校生から▽市同士も〝姉妹〟になろう▽海の向こうにもわがまちが▽津波とTSUNAMI▽深まる友情▽学び合い、新たな発展を▽比べてみて!二つのまち──の8コーナーで構成。両市民が相互に思いやり、信頼と友情を築きながら発展を目指していることを伝える。
 また、両市の産業構造や人口規模、自然の景観などに相似性があることも大きな特徴として取り上げ、「比べてみて!二つのまち」では、陸前高田とクレセントシティのよく似た風景を紹介。高田松原と、市の名称の由来にもなった「三日月(Crescent)」型のクレセントシティビーチ、箱根山とレッドウッドの森、椿島とバッテリーポイント灯台などを見比べられるようになっている。
 会場では、アンケート記入協力者にクレセントシティ市の地ビール会社「シークエーク・ブルーイング」のビール「KAMOMEエール」と、同市のチーズ会社「ルミアーノ」社が製造したハードチーズ「KAMOME」を配布。それぞれ両市の友好を記念して製造されたもので、配布時間は午前9時~午後0時、午後1時~5時。なくなり次第終了とする。

高田小では写真展の開会式典を実施

 高田小で行われた式典では、陸前高田市の戸羽太市長ら市関係者や、福田利喜市議会議長ら市議員、高田高校の生徒、駐日米国大使館のジョン・ナイリン公使らが会場入り。クレセントシティのブレイク・インスコア市長代行やクリス・ハワードデルノーテ郡議会議長、ジェフ・ハリス教育長、シークエークビール社のケビン・ハートウィック社長、ルミアノ・チーズ社のベアード・ルミアノ会長らもリモートで出席した。
 戸羽市長は「陸前高田とクレセントシティの良さを相互に取り入れられる方法がないかを考えているところ。両市の関係がさらに深化していくことを願う」とあいさつ。
 次いで、来賓のナイリン公使が陸前高田の将来的な発展にクレセントシティが貢献していることを語り感謝。インスコア市長代行は「今回、〝トモダチ〟になれたこの関係は、未来につづくものだと私は信じている。コロナの状況が落ち着いたあと、みなさんのクレセントシティへの来訪をお待ちしています」と再会に期待を寄せた。
 このあと、ビールとチーズの各製品を同市に贈呈したハートウィック社長やルミアノ会長らも、両市の交流から生まれた製品への思いについてコメント。高田高生や、クレセントシティ市のデルノーテ高校生による交流スピーチ、高田小6年生によるよさこい披露も行われた。