さらなる飛躍と発展を 半世紀の節目祝う 有住中で創立50周年記念式典開く(別写真あり)

▲ 50周年を記念して行われた式典

 住田町立有住中学校(岩角聖孝校長、生徒27人)の創立50周年記念式典は22日、同校で開かれた。昭和46年の開校以来、2301人の卒業生を送り出してきた同校。生徒、教職員、保護者、関係者らが半世紀の節目の年を祝うとともに、校史に新たな一歩を記すため、さらなる飛躍と発展を誓い合った。

 式典は、新型コロナウイルスの感染予防のために人数を制限して開催。全校生徒、教職員、保護者、歴代のPTAや同窓会長ら合わせて約80人が出席した。
 はじめに、式典実行委員長を務める藤井克伸PTA会長が「少子化により各地で学校の統廃合が進んでおり、本校にもその波が押し寄せているが、どのような状況でも有住の伝統と歴史は生き続ける」とあいさつ。
 岩角校長は「現在の生徒数は本校の歴史の中で最も少ないが、人数は減っても建学の精神や伝統、文化は脈々と生きている」などと述べた。
 引き続き、有住中学校で教員を退職後、平成20年から同校特設陸上部のコーチを務める佐々木裕子さん、長年にわたり小中学生への郷土芸能指導を行っている地元の天嶽保存会と外舘甚句保存会、24年度から令和2年度までのPTA会長、同窓会長を表彰。
 受賞者代表の佐々木さんは「長年、住田町にお世話になり、有住中の生徒から励まされているおかげで元気でいられる。あなた方は素晴らしい地域で育っている。さらなる発展を願います」と生徒らにエールを送った。
 生徒を代表し、佐藤倭君(3年)は「50年間、有住中の伝統や魂が引き継がれてきた。ここまで引き継ぐことができたのは、『チーム有住』という強い思いが一人一人の胸にあったからだと思う。50年間の先輩方の思いも背負って、引き続き歴史を積み重ねていきたい」と力強く誓った。
 このあと、生徒会(吉田莉音会長)が50周年を記念して制作した生徒会の「シンボルマーク」をお披露目。校章をベースに、中央の「有住」の文字の中には「なかまとまえへ」の文字が隠されており、全校一丸で歩んでいくという思いが込められている。
 出席者全員で高らかに校歌を斉唱して閉会したあとは、毎年恒例の「各種活動報告会」も開催。体育の授業で取り組んできたダンスや、町独自教科の地域創造学での学習成果を発表した。
 同校は昭和46年4月、下有住、上有住、五葉の3中学校が統合して開校し、47年に現在地に新校舎が完成した。
 平成9年1月に開始した「全校トレーニング」は現在も続いており、16年度には文部科学大臣奨励賞を受賞するなど、体力づくりに関してさまざまな賞に輝いている。近年は県内外のスポーツ・文化活動で大活躍しており、18、25年度には全国中学校駅伝大会に出場。全国都道府県対抗駅伝継走大会でも多くの生徒が活躍を残している。
 また、長年にわたって森林環境学習にも取り組んでおり、令和2年度の「全日本学校関係緑化コンクール」学校林等活動の部で最高位となる特選(農林水産大臣賞)を受賞している。