三面椿の〝直系〟開花 育成始めて4年目で 末崎町のハウス内 2本の苗木から1輪ずつ
令和3年12月24日付 7面
大船渡市末崎町字中森に搾油所を構える三面椿舎(山田康生代表)は、ヤブツバキでは国内最大・最古を誇る「大船渡の三面椿」の種から苗木を増やす活動に取り組んでいる。平成30年2月に種をまき、約60㌢にまで伸びた苗木が今月、花を咲かせた。関係者は今後の生育や、三面椿を生かしたまちづくりの推進に期待を込める。
三面椿舎が育成している種はすべて、三面椿のもの。つやの良さや重さなどを見極め、年間100粒程度を苗木生産用に充ててきた。生産地が分かる〝直系〟の苗木によって、各種交流事業やツバキを生かしたブランド化などを見据える。
種からの育成では特別な管理を必要としない半面、露地で育てるとシカによる被害が懸念される。これまで、苗木は世界の椿館・碁石内で林田勲元館長らに管理を依頼していたが手狭になったため、今年から同町上山地内の小高い斜面にあり、かつて花苗生産で使っていたビニールハウス施設を活用している。
約4年前にまいた種から育てた苗木は、6月に大きな鉢に移し、さらなる生育を促していた。このうち、2本の苗木で1輪ずつ開花が確認された。
今週は風が強い日が続くが、ハウス内は日光を取り込み、日中は寒さを感じない。花を咲かせていない苗木も厚い緑色の葉が輝き、順調な生育がうかがえる。
「椿の里」を標ぼうする同市では長年、市の振興につながるツバキの魅力発信や独自性のある取り組みの〝発掘〟が課題とされる。来年3月には市内では2度目となる全国椿サミットの開催を控え、地域資源活用策の発信にも注目が高まっている。
山田代表は「水やりなどで協力をいただいている方々とも『今年は咲けばいいね』と話していたのでうれしい。つぼみをつけている苗木が他にもあるので、椿サミットに合わせた展示などで、多くの人々に見てもらうことができれば」と話している。
三面椿は、同町中森に鎮座する熊野神社(志田隆人宮司)境内に伸びる。樹高約10㍍、株元の幹回りは約8㍍。本殿の東西南3面に植栽された樹齢数百年のツバキ3本のうち、唯一残ったものとされる。昭和44年に県が天然記念物に指定した。
今年も11月下旬以降、少しずつ薄紅色の花びらが増えた。現在は多くが咲き、彩りにあふれる。例年、2月後半から3月にかけて見ごろを迎えるという。






