高校サッカーで気仙出身の2人が全国へ 女子・小野寺紘那選手(専大北上)
令和3年12月26日付 6面

大船渡市出身 「恩返しのプレーを」/1月開幕
「第30回全日本高校女子サッカー選手権」(日本サッカー協会など主催)は来年1月3日(月)から9日(日)までの5日間、兵庫県神戸、三木、洲本の3市の会場で行われる。本県からは、北上市の専修大学北上(以下、専大北上)が出場し、このうち、大船渡市立第一中学校出身のDF・小野寺紘那選手(3年)がメンバー入りしており、「関わってくださった方々にプレーで恩返しの気持ちを伝えたい」と誓っている。
大会には、全国9地方から予選を勝ち抜いた代表校32チームが出場。トーナメント戦で高校女子サッカーの頂点を決める。
小野寺選手が所属する専大北上は、9月に行われた県予選で、準決勝で不来方、決勝で花北青雲をそれぞれ下し、9年連続9度目の優勝と、東北大会への出場権を獲得した。
上位3校に与えられる全国大会の出場権をかけて挑んだ東北6県の強豪がそろう東北大会では、準々決勝でノースアジア大学明桜(秋田)を6―0で下したが、続く常盤木学園(宮城)との準決勝で敗戦。全国への切符をかけて臨んだ3位決定戦では、尚志(福島)に快勝し、6年連続6回目の全国出場を決めた。
小野寺選手は、東北大会直前の練習中に左足首を痛めていたが、テーピングを施すなどして強行出場。尚志戦では、自チームのコーナーキックから生まれた混戦の中、小野寺選手がかかとで蹴ったボールがゴールに吸い込まれ、勝利を決定づける3点目に。公式記録はオウンゴールとなったが、「高総体と新人戦で敗れている相手にリベンジできてうれしかった。自分たちのプレーで勝てたことが自信につながった」と喜びを語る。
猪川小出身の小野寺選手は、地元のFCサン・アルタス大船渡でサッカーを始めた。大船渡一中では、男子生徒とともに部活動でプレーを続けるとともに、奥州市の水沢ユナイテッドFC・プリンセスにも所属し、練習や試合を通じて技術向上や体力づくりに励んできた。専大北上では1年生のころから試合に出場し、フィジカルを生かした粘り強い対人戦とヘディングの強さを武器に堅い守備で勝利に貢献。守備的MFのポジションにも適応するなど、全国大会常連のチームを後方から盛り上げる。
先月末には大船渡市を訪れ、アルタスの池田淳監督(53)や指導者らに全国大会出場を報告し、指導への感謝も伝えながら全国での活躍を誓った。
今回が高校最後の大会となる小野寺選手。「全国大会出場を決めたとき、プレッシャーや使命感のようなものを感じた。全国大会での『1回戦突破』が大きな壁になっているので、そこを超えることを目標に試合に挑みたい」と見据え、「自分に関わってくださった方々のおかげで、プレーができている。もらった恩を返せるように大会までしっかり準備したい」と決意する。
小野寺選手が所属する専大北上は、3日の1回戦で岡山県の作陽と対戦する。