高校サッカーで気仙出身の2人が全国へ 男子・村上力己選手(尚志)

▲ 全国の舞台で活躍を誓う尚志の村上選手

陸前高田市出身 「頑張る姿見せたい」/28日開幕

 

 「第100回全国高校サッカー選手権大会」(日本サッカー協会など主催)は28日(火)から、来年1月10日(月・祝)までの7日間、国立競技場など関東1都3県の計9会場で開催される。このうち、福島県代表として出場する尚志高校で、MIRUMAE・FCU―15出身のFW・村上力己選手(3年)=陸前高田市高田町出身=がメンバー入りし、「ここまで支えてくれた方々に感謝し、全国の舞台で頑張る姿を見せたい」と意気込んでいる。
 大会には、各都道府県予選を勝ち抜いた代表校48チームが出場。トーナメント戦で高校サッカーの頂点を争う。
 福島県大会には62チームが出場。2次予選の28チームによるトーナメント戦に登場した尚志は、準々決勝で郡山、準決勝で福島東をそれぞれ下し、決勝へ。決勝の学法石川戦では、後半ロスタイムに決勝点が生まれ、2―1で勝利し、2年ぶり12回目の県優勝と全国大会出場を決めた。村上選手も3試合全てに出場し、準々決勝の郡山戦では、途中出場ながら2得点を挙げる活躍を見せ、2年ぶりの全国大会出場に大きく貢献した。
 村上選手は、2人の兄の影響でサッカーを始めた。小学1年で大船渡市のFCサン・アルタス大船渡に入団し、6年間練習に打ち込み、小学6年で県選抜にも選ばれた。
 地元の中学校への進学も考えていたが、「本気でサッカーをするなら強いチームに」との思いから、母親と盛岡市に移住し、同市のサッカークラブチーム・MIRUMAE・FCU―15で研さんを積み、高校は、声がかかった尚志の練習に参加し、入学を決めた。
 「周りの技術レベルが高くて、最初は置いていかれると思った」と振り返るが、岩手での経験を生かして努力を重ね、高校2年の新人チームに代替わりしたタイミングでトップチームに定着。
 その年の県新人大会は、大会前に負ったけがの影響で出遅れたが、FWとしてチームを優勝に導き、東北新人大会では4得点、高校3年のインターハイ県予選で3得点を挙げるなど、エースストライカーとして結果を残した。
 FWとして前線を駆け回る村上選手は、ポストプレーやDFラインの裏に抜け出す動きを得意とするだけでなく、前線からの守備にも奔走する。「サッカーは点を取らないと勝てない。シュート、ゴールは人一倍意識している」と語る。
 小学1年の時に経験した東日本大震災で被災し、津波によって父親を亡くした村上選手。「よく一緒にサッカーをして、『プロチームの下部組織に入れるんだ』みたいなことも言っていたらしいので、そういった願いも実現できれば。震災があったことも踏まえて、母には一番感謝している。家族や多くの人の支えがあって、今の自分がある。全国大会で頑張っている姿を見せたい」と活躍を誓う。
 村上選手が所属する尚志は、29日(水)の1回戦で、広島県代表の瀬戸内と対戦する。