迎春準備 大わらわ 気仙3市町 「来年は良い年に」と作業(別写真あり)

▲ 縁起物を準備する総代ら

 今年も残すところ大みそかの1日。気仙3市町の神社・仏閣では初詣の参拝客を迎える準備に追われ、飲食店などでは縁起物のおせちや年越しそば作りが大詰めを迎えている。新型コロナウイルス感染症の収束が今なお見通せない中、「来年は良い年に」との願いを込めながら各地で年越しや正月に向けた作業が進められている。

 

初 詣


 毎年、多くの市民が初詣に訪れる大船渡市大船渡町の加茂神社(荒谷貴志宮司)では30日、荒谷宮司(55)と総代ら約30人が参拝者を迎える準備作業を行った。
 社務所に熊手や破魔矢、お守りなどの縁起物をずらりと並べ、拝殿前には国旗やのぼり旗を掲揚。鳥居のしめ縄やこま犬に紙垂(幣束)をつける作業なども分担して手際良く進めた。
 市シルバー人材センターの大船渡北、中、南班の約20人は毎年行っている清掃のボランティア活動に参加し、ほうきやレーキを使って落ち葉を掃き集めた。
 荒谷宮司は「今年は新型ウイルスによる観光業への影響のほか、市の基幹産業である漁業の不漁など、暗い話題が続いた。来年こそはコロナが収束し、漁業や観光業もにぎわいを取り戻し、より良い活気ある大船渡になってほしい」と願った。

 

おせち

おせち作りに追われる従業員ら

 陸前高田市米崎町の料亭「京料理 京亭」(熊谷忠行店主)は30日、おせち料理の盛り付け作業を行った。縁起のいい品々を詰めた豪華な三段重を用意し、注文は昨年を上回る約60人分を受けた。従業員が「新年を笑顔で迎えてほしい」と願いを込め、仕上げに当たった。
 同日は、熊谷店主(43)や従業員の5人が早朝から仕事を開始。今年は3万円と2万円の2種類の注文を受け付け、40品近くを重箱に詰めた。
 各家庭の正月を彩るおせち。「先代からのリピーターもいる。いいものを届けたい」と、熊谷店主は真空パックで長期保存できる品から仕込みを始め、通常業務と並行して準備してきた。
 31日は、3班に分かれて市内外に配達する。店頭引き渡しは同日午後1時から5時ごろまで行う。
 熊谷店主は「今年もコロナの影響が続いた一年となった。来年こそ感染症が収まり、平穏な日が訪れるように願いながら調理した。家族でおいしく味わってもらえれば」と話した。
 問い合わせは、同店(℡54・4433)へ。

 

年越しそば

 

年越しに向け心を込めてそば作りにあたる及川店主

陸前高田市高田町のそば店「やぶ屋」(及川雄一店主)では、年越しそばの準備が30日から始まった。気仙内外広く飲食店に大きな影響を与えた新型ウイルスの収束を願いつつ、多くの人の笑顔を願って作るおいしいそばを届ける。
 年越しそば作りは、昭和36年創業の同店にとって毎年恒例の一大イベント。今年も「たくさんの予約注文をいただいた」とし、例年より早めに予約を締め切った。
 そばは、店舗でゆでて提供するタイプと、自宅に持ち帰りゆでるタイプの2種類あり、合わせて約900食分を用意。
 このうち、持ち帰り用のそばは、火力の弱い家

庭用の鍋でもおいしくゆでられるよう、店で扱っている材料で作る「半生そば」を初めて秋田県の業者に発注した。
 そばの準備は同日の営業終了後からスタート。3代目の及川店主(54)が生地作りから製麺までを手がけ、丁寧に木製の容器に収めた。そばの提供を開始する大みそかは、つゆや天ぷらの仕込みも含め、従業員約10人総出で業務にあたる。
 及川店主は「大変な作業ではあるが、祖父の代から作られてきたやぶ屋のそばが、今いる人たちにも喜ばれていると思うとうれしい。来年はコロナが収束し、みんなが平和な毎日を過ごせる年になってほしい」と願っていた。