入館者数50万人を達成 市立図書館 開館から4年半(別写真あり)
令和4年1月11日付 2面

陸前高田市立図書館(菅野義則館長)の入館者数は9日、累計50万人に達した。東日本大震災で全壊の被害を受け、中心市街地に再建・開館から約4年半で大台を達成。商業施設「アバッセたかた」に併設されている好立地も相まって、多くの人に親しまれている。
50万人目の入館者は、同日、工作用の本を探しに母・千佳さん(28)と訪れた気仙町の佐々木心結さん(気仙小1年)。
館内で記念セレモニーが行われ、佐々木さん親子が戸羽太市長、山田市雄教育長とともにくす玉を開披。心結さんが50万人目の証明書と記念品を受け取った。
心結さんは「(50万人目になって)うれしかった。本を読むのは楽しい。また図書館に来たいです」と笑顔を見せた。千佳さんは「アバッセと連なり、そばには子どもたちが遊べる広場もあるので、図書館にも子どもをよく連れてくる。とてもいい施設だと思う」と話した。
同館は津波で被災し、竹駒町の仮設施設が震災翌年の平成24年12月にオープン。屋外には広場も整備され、憩いの場として利用された。
本設の施設は、29年7月に開館。木のぬくもりあふれる館内には、来館者のニーズに合わせて思い思いの時間を過ごせるよう、ゆっくりとくつろげる読書テラス席や、静かに読書する「サイレントルーム」、親子トイレや授乳室を備える「おはなしの部屋」などが配されている。震災関連の資料も充実させ、CDやDVDなどの音声図書もそろえている。
同館によると、人口1人当たりの年間貸出冊数は令和元年度10冊、2年度9・5冊。それぞれ全県平均(元年度4・5冊、2年度4・2冊)の2倍となった。来館者が借りた図書を記録できる「読書の記録」帳の発行冊数は昨年5月、500冊を超えた。
戸羽市長は「来館者からは『非常にいい図書館』といううれしい声をいただいている。市民ニーズに応える図書館として今後も親しまれてほしい」と願った。