阪神・淡路へ思いはせる 大震災から27年 「希望の灯り」で黙とう(別写真あり)
令和4年1月18日付 7面
平成7年の阪神・淡路大震災発生から27年となった17日早朝、神戸市にある追悼と復興祈念のモニュメントから分灯を受け、陸前高田市小友町の気仙大工左官伝承館に設置された「3・11希望の灯り」に市民らが集まり、地震発生時刻の午前5時46分に合わせて黙とうをささげた。
「3・11希望の灯り」は、神戸市の東遊園地にNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」が設置したモニュメントから分灯を受け、東日本大震災から9カ月後の平成23年12月に同館敷地内に設置された。
これ以降、同館を運営する箱根振興会(藤原直美会長)の呼びかけで、東遊園地で毎年行われる慰霊式典「1・17のつどい」に合わせた追悼行事が続いている。
今年は、午前5時すぎから市民ら10人ほどが集まった。夜明け前でまだ暗い中、ほのかな明かりがともった「希望の灯り」の前には、供花と竹とうろうが並び、背後には陸前高田と神戸両市の市章が飾られた。
集まった人たちは、5時46分の時報に合わせて1分間の黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。
箱根振興会の会員で、運搬船の仕事で阪神・淡路大震災の復旧にも携わったという小友町の紺野喜治夫さん(72)は、「神戸の皆さんからの復興支援は何年たっても忘れない」と語り、静かに手を合わせていた。
前日にはトンガ沖の海底火山噴火の影響で本県に津波警報が出され、会員らは災害の記憶と教訓の伝承に決意を新たにしていた。
藤原一郎副会長(72)は「自然の力は抑えられない。逃げねばという思いを改めてもっていたい」と話していた。