ふるさと納税 本年度も好調 〝巣ごもり需要〟の高まりで コロナ禍前から件数大幅増

▲ 住田町では楽天ふるさと納税への出店も開始した

 住田町へのふるさと納税寄付件数が、新型コロナウイルス感染拡大前を大きく上回っている。昨年12月末現在の本年度実績は、令和元年度の累計比で505件増の990件と好調を維持。新型ウイルスの感染拡大に伴う外出自粛により、インターネット通販の感覚で返礼品を受け取る〝巣ごもり需要〟が高まり、これにより住田の知名度が向上したことが増加の一因とみられる。町では引き続き、ふるさと納税を通じた住田のPRへと取り組んでいく。

 ふるさと納税は、出身地など特定の自治体に寄付する制度。町は平成20年に「住田町森林・林業日本一の町づくり寄付条例」を制定し、森林・林業を通じたまちづくりなどに活用してきた。
 27年度には寄付金の使途を幅広いまちづくり事業に拡大。▽森林・林業日本一の町づくり▽子育て・福祉・医療の充実▽教育・文化・スポーツの振興▽住民活動団体の支援▽そのほかのまちづくり──の五つから支援分野を選べるようになっていたが、昨年度からは総合計画に掲げる取り組みも加え「結婚・子育て」「教育」「生活環境」「社会基盤」「安全」「地域コミュニティ」「芸術文化」「農業」「商工業」「観光」「住民団体への支援」などに関する計19項目に支援分野を細分化した。
 返礼品は、町花・アツモリソウの苗や滝観洞入洞券、気仙川遊漁券、地元食材を生かした商品、木工製品などで「住田らしさ」をPRしている。
 寄付件数の大幅な増加は、新型ウイルスの感染拡大が始まった一昨年からの傾向。ふるさと納税はオンライン上で寄付を申し込むことができ、返礼品は自宅に送られてくるため、外出自粛によって自宅で過ごす時間が増えたことで、インターネット通販と同じ感覚で使う人が増えたとみられる。
 令和2年度は、この巣ごもり需要の高まりにより、元年度の485件を845件も上回る1330件の寄付があり、金額も955万円増の3399万円まで伸びた。
 本年度も好調に推移。2年度にはおよばないものの、昨年12月末現在で件数は元年度累計の2倍強、金額は元年度累計の約8割に及ぶ1923万円となっており、リピーターも増えているという。
 所得税の還付、翌年度の住民税の控除の対象は昨年12月31日までの寄付分となるため、10月から12月にかけて寄付が増え、寄付全体の約8割が12月に集中したことで年内の寄付件数が大幅に増えた。
 また、町は本年度、ふるさと納税サイトへの〝出店〟を拡大し、広く住田をPR。昨年12月末現在のサイト別実績は、「ふるさとチョイス」が807件1692万円、「さとふる」(新規)が39件39万円、同じく「楽天ふるさと納税」(同)が48件51万円、JR東日本が自社のショッピングサイト内に開設している「JREMALL」が84件101万円だった。
 町企画財政課の小野田海波主事(24)は「サイトを増やしたので、新たな客層にも見てもらい、コロナ収束後にはぜひ住田町に来ていただければ」と話している。