道の駅さんりく 駐車場拡充へ 普通車8台程度、大型車1台増 南三陸沿岸国道事務所
令和4年1月22日付 1面

国土交通省東北地方整備局南三陸沿岸国道事務所(五十嵐俊一所長)は、大船渡市三陸町越喜来の三陸ふるさと振興㈱(中井昭樹社長)が運営する道の駅さんりくの駐車場を拡充する改修工事に今週着手した。工期は3月末までで、改修により、普通車8台分程度と大型車1台分の駐車スペースが増える見通し。乳幼児を抱える母親や妊婦向けの子育て支援として、優先駐車スペース2台分を屋根付きとして整備する。利便性が増し、三陸沿岸道路を通る人たちの買い物や休憩での利用増加が期待される。
子育て支援で屋根付きも整備
国が整備した駐車場の一部を改修。平成30年に国土交通省がまとめた「サービスエリアや『道の駅』における子育て応援の取り組み方針」に基づき、トイレ前にこれまでもあった優先駐車スペース2台分の場所を道の駅の入り口側(西側)に移し、屋根をかけ、乳幼児を抱える母親や妊婦向けとして利用を促す。雨よけや日よけの効果を見込む。
現在は普通車約80台、大型車7台が駐車できるが、道路、自動車関係などの業者、団体で構成する「東北道路利用者会議」では、「駐車スペースが足りない」との要望が出されていた。
駐車場東側に設置しているあずまやを取り壊し、盛り土している周辺約550平方㍍を崩し、普通車の新たな駐車スペースとして拡大。これまであずまやのそばに設けられていた大型車の駐車スペースのうち、1台分は通路とし、普通車が駐車していた南側の十数台分のスペースは一部を残して大型車2台分に充て、駐車場全体の配置を変える。
現場には重機が入り、あずまや周辺は立ち入りが禁止されている。21日は工事関係者数人が測量などの作業に当たった。工期の間も工事の該当区域以外は通常通り駐車できる。
同道の駅は平成6年4月、「三陸ふるさと物産センター」として開業。現在の建物は12年4月にオープンし、同年8月に国土交通省から道の駅に登録され、一昨年で20周年を迎えた。
三陸沿岸道路・三陸IC(インターチェンジ)のそばに位置し、アクセスが良く、駐車場とトイレは24時間開放しており、普通車、大型車ともに多くの人が夜間も利用。平成29~30年には、市がトイレなどの改築工事を行った。
同道の駅の令和2年度のレジ買い上げ客数は、新型コロナウイルス禍により、前年度比で5万1173人減少したものの、12万7464人に上っている。
昨年12月には青森県八戸市から宮城県仙台市までの三陸道359㌔が一本につながり、全線開通。アクセスが良い同道の駅はさらなる利用者増が期待される。
工事を監督する同事務所大船渡維持出張所の小野和栄所長は「子育て応援の一つとしても、使い勝手の良い駐車場にしていきたい。三陸沿岸道路が一本につながったことにより、遠くから来る方にも休憩に利用していただきたい」と話す。
売り上げの面では、コロナ禍で昨年度以降は苦戦が続く。三陸ふるさと振興によると、本年度(昨年4~12月)の売り上げはコロナ禍前の令和元年度同期比で約6割にとどまっている。
同社も今後、子育て支援として、紙おむつの自動販売機の設置や女性トイレにおむつ交換のスペースを確保することを検討している。佐藤悦郎常務取締役は「赤ちゃんのいるお母さんも利用しやすい道の駅を目指したい。駐車スペースの拡充が利用者の増加につながってほしい」と期待する。