北限のゆず3年度収量 過去最高の10㌧で目標2倍の大豊作に 研究会が実績まとめる

▲ 本年度もゆず狩りサポーターの力を借りながら収穫を進めた

 陸前高田市の北限のゆず研究会(佐々木隆志会長)は、ブランド化を目指す北限のゆずの本年度収量実績をまとめた。本年度は目標の5㌧の2倍となる10㌧に達し、平成25年の研究会設立以降最高を更新する大豊作となった。研究会が新たに植栽した成木の結実も良好で、関係者は「ブランド化へ弾みがつく」と〝大台突破〟を喜んでいる。

 

新規植栽木の結実も良好

 

 本年度は昨年11〜12月に収穫。11月は、市内外の「ゆず狩りサポーター」延べ105人(前年度比5人減)にも計6日作業を手伝ってもらい、12月は研究会メンバーがユズの木がある家庭などから依頼を受け、各地に出向いて収穫を進めた。
 同会によると、ユズは隔年結果の果実で、基本的に豊作の表年と不作の裏年を交互に繰り返すという。
 これまでの収量の年間最多は、平成27年度の約9・5㌧。それ以降は28年度約2・7㌧、29年度約4・2㌧、30年度約4・5㌧、令和元年度約4・1㌧と推移。2年度は当初、表年の木が多いと見込んでいたが、計画の半分ほどで過去最低の約2・6㌧にとどまった。
 本年度は、27年度以来の豊作に恵まれ、高田町のたまご村(旧高田大隅つどいの丘商店街)に置いた集荷場には新規で実を持ち込む家庭が例年よりも多かった。
 さらに、同会が新規植栽した木でもたわわに実り、収量増につながった。これまで市内全域(一部大船渡市末崎町を含む)に約1300本を植え、元年度から収穫がスタート。本年度は約3㌧を収穫し、全体の3割を占めた。
 実は市内の産直や商業施設などで販売し、果汁や実の皮の加工品は大手酒類製造メーカーや地元菓子店などに卸した。
 研究会は、生産者、障害者支援施設、産直の市内3団体で構成する。200年以上前から栽培され、生産地の北限とされる気仙産ユズのブランド化を目指して発足した。生産量拡大に加え、参画企業などがユズを使って開発した新商品をお披露目する「北限のゆずを楽しむ会」を開くなどしてPRに取り組んでいる。
 佐々木会長(62)は「10㌧という大台を突破し、純粋にうれしい。ブランド化への課題はたくさんあるが、一番重要なのは生産の拡大。ありがたいことに引き合いも多い。そうした需要に応えられるよう、東北一の産地を目指して引き続き頑張っていく」と思いを新たにする。
 年間の収量実績は別掲の通り。