新型コロナウイルス/オンライン授業へ対策急務 気仙3市町 学校現場で警戒強める 全県で臨時休校相次ぐ

▲ 市内児童・生徒に1人1台配ったタブレット端末=陸前高田市教委

 県内で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、気仙の小中学校でも児童・生徒に1人1台配備されたタブレット端末などを活用したオンライン授業への対策が急務となっている。県教委のまとめではコロナ禍で1月に臨時休校の措置がとられた小中学校、高校、特別支援学校は全県で35校に上った。教委や学校現場は感染状況を注視している。

 

 「いつリモートでの学習となるか分からない状況であり、現場でも緊張感を持っている」と語るのは、陸前高田市竹駒町の竹駒小学校(児童48人)の大竹博行校長。「まずは基本的な感染症対策を徹底していく」と気を引き締める。
 同校は、昨年夏のタブレット端末の扱い方を学ぶ教員や児童向けの研修会などを経て、夏休み明けの2学期から活用を本格化。1年生がお絵かきを楽しめるソフトで端末の機能に触れたり、6年の代表児童が冬休みの自由研究の内容を端末を使って発表するなど、児童の習熟に応じた取り組みを展開し、各学年のドリル教材が入るソフトも有効的という。
 今月1日には、リモート学習を見据えた試みとして、給食の時間に各クラスをオンラインで結び、他クラスの様子を電子黒板に写す交流も。教員は職員室での会議に教室からオンライン参加するなどスキルアップに励んでいる。
 大竹校長は「タブレットを使うのが目的でなく、学習の狙いを達成するため有効的に活用することが重要。教員間でも活用のアイデアを出したり、操作を教え合うなど限られた時間の中でできることをしている。いざという時にオンライン学習にスムーズに切り替えられるようにしていきたい」と見据える。
 陸前高田市教委によると、市内小中学生へのタブレット端末配備は昨年2月に完了。学習用端末と大容量通信ネットワークを一体的に整備する文科省の「GIGAスクール構想」の一環で、市教委は同年7月、利用に関するガイドラインをまとめ、各校での活用を促した。
 市教委学校教育課の関戸文則課長は「各校ではICT機器を使った学習を積極的に取り入れており、学習意欲の向上など成果が見られる。端末には臨時休校となった場合も想定したソフトをすでに導入しているが、いざオンライン学習を始めるという時に戸惑う児童・生徒もいると思う。オフラインの教材と併用しながら、各校で柔軟に対応できるよう検討していきたい」と話した。
 県は1日、新型ウイルス感染拡大を受け、県内全域に発出している岩手緊急事態宣言を改訂し、学校での対策を強化。学校行事は原則校内限りで開催し、部活動は平日2時間以内とする制限などを新たに加えた。
 県教委によると、1月に学級閉鎖、学年閉鎖を行った県内の公立学校はそれぞれ計12校ずつ。学校クラスターも相次いで発生しており、気仙でも注意が必要だ。