「密」回避へ早めの開始 大船渡税務署 会場での確定申告

▲ 大船渡税務署内に令和3年分の確定申告会場が開設

 大船渡市盛町の大船渡税務署(盛田浩明署長)は8日、署内に令和3年分確定申告の申告書作成会場を開設した。新型コロナウイルスの感染リスクを軽減するため、前年度と同様に所定期間よりも1週間早く会場を設けたもので、来署した市民らが申告手続きを行った。同署では、国税電子申告・納税システム(e─Tax)による自宅からの申告など、感染防止対策への協力を呼びかけている。
 確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間における所得金額と、それに対する税額を計算して申告し、納税額を確定する手続き。個人事業主や農業・漁業を営む人、地代・家賃収入がある人、土地建物などを売却した人などのほか、サラリーマンでも年収が2000万円を超える人などが対象となる。
 国税庁が設定する所得税等の申告受付期間は今月16日(水)からだが、新型ウイルスの感染防止対策として同署では今年も1週間前倒しして申告書作成会場を開設。同署によると、ソーシャルネットワークサービス・LINE(ライン)での事前予約や入場整理券による時間指定から、8日の出だしはあまり混雑がなかったという。
 予約時間に来署した申告者らは、手指消毒と検温を行い、配布された申告内容整理票に沿って必要な資料の整理などを実施。その後、スマートフォンコーナーや別室のパソコンコーナーで申告書の作成、提出に臨んだ。会場では換気や湿度を調整し、同署職員らはマスクにフェースシールド姿で対応した。
 確定申告の提出、相談は先月4日に始まり、同署によると、今月4日現在で提出を終えたのは来署による約170件を含む約460件。このうち、約300件は電子申告で、自宅などからの利用も増えているという。
 申告と納付の期限は、所得税および復興特別所得税、贈与税が3月15日(火)まで、個人事業者の消費税および地方消費税が同月31日(木)まで。振替納税の振替日は、所得税および復興特別所得税が4月21日(木)、個人事業者の消費税および地方消費税は同月26日(火)。
 大船渡署の作成会場は来月15日までで、開設時間は平日午前9時~午後5時。利用には、LINEによる事前予約か、当日会場で配布する入場整理券が必要。
 事前予約は希望日の10日前から可能で、月曜日の予約は前週の木曜日まで、火~金曜日の予約は前々日まで受け付ける。ただし、今月の14日(月)分は9日まで、24日(木)分は21日(月)まで。
 整理券の配布時間は、平日の午前8時30分~午後4時。混雑状況によっては待ち時間が生じたり、日を改めなければならない場合があるため、余裕を持った来署を呼びかけている。
 また、国税庁では、新型ウイルスの感染患者、自宅待機者、通常の業務体制が維持できないなどの理由から、期限までの申告などが困難になった場合には、申告書の余白に延長申請する旨を記載すれば4月15日(金)まで受け付ける。同署でも同様に対応する。
 同署では「感染リスクを軽減するためにもe─Taxを利用して自宅から申告をしたり、早めに来署をしてほしい。医療費の明細書や事業の収支内訳書など、計算が必要なものは事前に済ませておくなどし、スムーズな申告にご協力をお願いしたい」と話している。