思い集めて千羽鶴に メッセージ折り鶴受付中 市観光物産協会がおおふなぽーとで 

▲ 地域住民らから続々と寄せられている折り鶴

 大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)は大船渡町の市防災観光交流センター・おおふなぽーとに、メッセージを記した折り鶴を受け付けるコーナーを設けた。防災や未来への思いを書き込んだ後に折り、3月から千羽鶴にする飾り付けを行い、赤崎町の漁村センター内に整備された防災学習館に贈るもの。幅広い世代の参加を呼びかけている。

 

赤崎・防災学習館に寄贈

 

 この取り組みは、3月5日(土)~11日(金)を中心とした「おおふなぽーとで防災ウイーク」の一環。追悼に加え、教訓の伝承や復興へと進む大船渡の様子を広く発信しようと、毎年この時期に開催している。
 折り鶴を受け付ける箱は現在、1階のエントランスホールと2階のコラボストリートに設置。折り紙や鉛筆に加え、折り方の流れを記した説明も添えている。
 家庭にある折り紙などを用いて、直接持ち込む参加も歓迎。設置は今月1日から始まり、新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが広がる中、自宅で地道に作り上げた折り鶴をまとめて提供する住民も見られる。
 寄贈先に予定している防災学習館は、昨年10月から見学対応が本格化。東日本大震災時に300人超が避難した館内では、国内外から寄せられた支援物資に加え、早期復旧・復興の思いが込められた千羽鶴が多く展示されている。
 折り鶴は随時受け付けるが、3月5日からは飾り付け作業に入る計画。さまざまな思いが寄せられた千羽鶴を通して、震災後に生まれ、防災の重要性を伝える両施設をつなぐ。
 企画運営を担当する同協会の佐藤李沙さん(24)は「メッセージは、どんな内容でもかまわない。未来に向けて、個人的なことでも、地域のことでもいい。前向きな思いがたくさん集まってほしい」と話し、期待を込める。
 3月の防災ウイーク期間中は、ジオラマ展示やおおふなトンと楽しむ防災グッズ絵合わせゲーム、消防車両展示・写真撮影、津波伝承館伝承プログラム、追悼のライトアップなどを予定。
 さらに、震災11年に当たる11日午後2時30分からは「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」を開催。地震発生時刻の同46分に黙とう後、全国に設置されたストリートピアノで一斉に『ふるさと』『花は咲く』の伴奏・合唱を行う。
 問い合わせは同協会(℡21・1922)へ。