東日本大震災10年/解体進む木造仮設 払い下げ対象7棟 世田米の本町団地で
令和4年2月22日付 2面
住田町が東日本大震災後、世田米地内に整備し、一昨年4月をもって入居者全員が退去した応急仮設住宅本町団地で、一般に払い下げられた木造仮設の解体作業が始まった。同団地17棟のうち、払い下げ対象となった7棟の〝新天地〟はすべて決定しており、今後、雪解けとともに解体・移設作業が本格化する。
町は震災後まもなく、町営住宅の跡地に火石団地として13戸、旧住田幼稚園跡地に本町団地として17戸、旧下有住小学校校庭に中上団地として63戸の仮設住宅を建設。町が整備した仮設住宅は、従来のプレハブ工法の長屋タイプとは異なり、戸建ての木造タイプ。壁には断熱材を木材で挟み、気仙内陸部の厳しい寒さに応じた工夫を凝らす〝優しさ〟も込められ、プレハブとは異なるスギの香りとぬくもりを入居者に届けた。
3カ所合わせた入居世帯はピーク時には91世帯だったが、発災から4年後の平成27年3月には43世帯と半数以下になった。その後は28年3月に33世帯、29年3月に24世帯、30年3月に19世帯、31年3月に16世帯と年々減少していき、一昨年7月をもって全員が退去。このうち、本町団地には最大で17世帯73人が入居し、一昨年4月をもって全員が退去した。
町では昨年12月、本町団地仮設の払い下げを受け付け。町内外から応募があり、先月中に当選者が決定した。撤去期限は3月25日(金)までとなっており、購入者が週末を利用して町内外から訪れ、作業に当たっている。
このうち、一関市の団体職員・佐々木一成さん(59)は、今月4日に引き渡しを受け、その後は土・日曜日に住田町を訪問して解体を進めている。
木造仮設を再現し、自宅敷地内に作業小屋兼休憩場所として設置する予定で、「被災者を受け入れてきた仮設住宅だということも、伝えていきたい。なるべく多くの部材を再利用して建物を再現できれば」と、住田型仮設住宅が担った役割の〝伝承〟にも意欲をみせている。
払い下げ対象となっていない同団地の10棟は解体後、その部材を町が計画している「仕事・学びの場創出事業」における施設建設に活用する予定。
このほか、町営住宅の跡地に整備された火石団地は、平成28年度に入居者がゼロとなり、同年度に全13戸を払い下げして撤去が完了。
旧下有住小校庭に建設された中上団地は、一昨年7月に入居者全員が退去。建設された63戸のうち、退去した入居者や他自治体などに払い下げ・移設された15棟を除いた48棟を対象として一般への払い下げを募集した結果、町内外から93件の申請があり、老朽化のため払い下げ対象外となった11棟を除く37棟の行き先が決定。すでに払い下げ対象棟の撤去は終了しており、残る建物は今後、撤去となる。





