岩手の湘南 なれぬ雪 21日の気仙、道路混雑

▲ 雪の影響で渋滞した国道45号(大船渡市盛町、21日午後8時57分)

 【一部既報】強い冬型の気圧配置の影響で、20日から21日にかけて気仙地方は暴風雪警報が出されるなど、荒れ模様となった。盛岡地方気象台の観測で21日の大船渡市の最大積雪深は11㌢となり、今冬一番を記録。同日は積雪や路面凍結の影響で特にも通勤・退勤時間帯に主要道路が混み合った。雪に起因するとみられる交通事故も相次いで発生するなど、春を目前とした〝大雪〟の影響が広がった。
 両日の本県沿岸は海上を中心に風が強まり、20日午後6時7分に暴風警報が出され、21日午前3時23分に暴風雪警報に切り替わり、同日午後4時55分に注意報へと移行した。
 大船渡、陸前高田両市では20日深夜から雪が断続的に降り、大船渡では21日午後3時時点で最大積雪深11㌢となり、今冬一番を記録した。
 昭和38年(1963)の観測開始以来、同市の1日当たりの最大積雪深は同59年(1984)2月28日の32㌢。この数字とは開きがあるものの、気仙の平野部としてはまれにみる〝大雪〟となった。一方で大船渡市三陸町の越喜来や吉浜では、日中までほとんど積雪がなかった。
 同日は最高気温が氷点下にとどまる真冬日とも重なって、路面は圧雪や凍結状態となり、朝の通勤時間帯は慎重に進む車で混み合った。
 大船渡警察署によると、スリップが原因とみられる交通事故は17件あった。ほかに、三陸沿岸道路の大船渡インターチェンジ(IC)─大船渡碁石海岸IC間では午後3時30分ごろ、衝突事故が発生。県警本部交通部高速道路交通警察隊によると、普通乗用車2台が正面衝突し、1人が軽傷を負った。
 この事故の影響で、同区間の上下線が午後4時25分から通行止めとなった。降雪と後続車の渋滞により、初動対応や事故車両のレッカー移動が遅れたため、同9時15分まで長時間にわたって措置がとられた。
 退勤時間帯とも重なり、迂回先となった国道45号は大渋滞。「普段、職場と自宅は車で20分ほどだが、きょうは朝も夜も数倍かかった」という人もいた。
 22日も真冬日並みの寒さとなったが、降雪はほとんどなく、除雪が施された主要道路はスムーズな通行が確保された。
 気象台の予報によると、23日の大船渡の予想最高気温は1度と引き続き冷え込む見込みで、通行への注意が求められる。24日(木)以降は寒さが緩む見通し。