「カメシカ」で住田をPR 住田高3年生がゆるキャラ制作 黄川田さんと阿部さん 「地域創造学」の一環で
令和4年3月1日付 7面

県立住田高校(小山秀司校長)の黄川田成那(せな)さん(3年)、阿部悠さん(同)はこのほど、同校のゆるキャラ「カメシカ」を制作した。独自教科「地域創造学」の一環として同校、住田のPRを図ろうと取り組んだもの。2人は卒業するが、後輩たちにこのゆるキャラを活用した地域、高校の活性化と魅力発信を託す。
地域創造学は、文部科学省による研究開発学校事業の一環。平成29年度に世田米小、有住小、世田米中、有住中、住田高の5校が指定を受けた。教育実践の中で浮かび上がる諸課題、時代に対応した新しいカリキュラムや指導方法の開発を目指し、学習指導要領等の国の基準によらない教育課程を編成、実践できる。
住田高校は平成30年度まで総合的な学習の一環で取り組んできたが、令和元年度からは毎週水曜日に地域創造学の授業時間を確保している。
2人は、ゆるキャラを通じて地域や学校を盛り上げていこうと、本年度から取り組みを開始。「カメシカ」は、町の人口より頭数が多いとされているシカと、校内に〝多発〟しているカメムシの「ハイブリッドお化け」という設定。
シカの角と鼻、カメムシの触覚と6本の脚、羽をモチーフにしているほか、同校には県内では珍しいアーチェリー部があることから、目の部分は競技で使われる「的」をイメージした。
2人は夏休みから活動を開始。校内にあるシカの剥製も参考にし、動画投稿サイト「YouTube」のフィギュア製作動画もチェックしながら、針金で型を作り、そこに紙を張り付けていった。
放課後の時間も利用しながら作業を進め、3カ月ほどかけてカメシカが完成。YouTubeに開設している「住高チャンネル」では、このカメシカへのインタビューも公開しており、同校の海外派遣事業や給食の無償提供などといった学校の特徴・魅力や、来年度から制服が一新されることもPR。〝先輩〟である町のマスコットキャラクター・すみっこへの熱い思いも語っている。
黄川田さんと阿部さんは卒業するが、カメシカは後輩たちに引き継がれていく。2人は「このゆるキャラを使って、住田のPRをしてもらえれば」と思いを託し、すみっこや大船渡市の「おおふなトン」、陸前高田市の「たかたのゆめちゃん」といったPRキャラクターたちとの共演も夢見ている。
黄川田さんは「完成するか不安だったが、無事にできた。発表会でもいい反応をもらい、取り組んだかいがあった」と、阿部さんは「いろんな人から反響があってうれしい。カメシカが大きな存在になっていけば」と話していた。