越喜来の未来をともす ペットボトル灯籠で鎮魂 学生団体などイベント共催(別写真あり)

▲ 越喜来の未来をともす「ペットボトル灯籠」を並べ、郷土芸能演舞やピアノ演奏で震災犠牲者の鎮魂を祈った

 東日本大震災から11日で11年となるのを前に、大船渡市三陸町越喜来の三陸公民館で6日、鎮魂イベント「未来を灯そう」が開かれた。ペットボトルに色を塗り、LED(発光ダイオード)ライトを付けて作った「ペットボトル灯籠」を並べ、地元の高校生のピアノ演奏や郷土芸能団体の獅子躍、剣舞演舞を通じ、犠牲者を追悼。み霊とともに、越喜来の未来をつくっていくことを誓った。

 

ピアノ演奏、郷土芸能演舞も

 

 青山学院大の学生らが中心となり、被災地で活動する団体「Youth for Ofunato(YfO、ユース・フォー・大船渡)」、岩手大復興・地域創生ユニット、越喜来地区公民館が共催。大船渡高、高田高両校の生徒7人も学生団体の運営に加わり、地元住民ら約20人が来場した。
 ステージ前には供養塔を設け、「灯の道」として、震災で犠牲になった同地区の88人を含む市内の340人の人たちとともに「越喜来の未来へ歩んでいく」との思いを込め、計468本のペットボトル灯籠を並べた。平成29年度から昨年度までに作った灯籠に加え、本年度も越喜来小の児童や、崎浜地区の住民らが作り足した。
 学生団体は越喜来小の児童や、地域住民から募った越喜来の未来へのメッセージを紹介。「いつまでも海がきれいでいてほしい」「自然がたくさんあるまち」「子どもの笑顔であふれるまち」などの願いが読み上げられた。
 越喜来の神津心さん(大船渡高1年)は『花は咲く』のピアノ演奏を披露。「犠牲になった人たちに復興した越喜来を見守っていてほしい、震災を知らない子どもたちにも伝えていきたいという思いを込めた」と話し、静かな音色を響かせた。
 地元の金津流浦浜獅子躍と浦浜念仏剣舞による演舞も行われ、犠牲者の冥福を祈った。
 学生団体と一緒に高校1年から活動を続ける神津凜さん(同3年)は最後に「震災を忘れない、越喜来を笑顔にする。これからも復興は続き、越喜来は変わっていく。そんな愛する地元のためにこのプロジェクトが少しでも支えになればうれしい」と語りかけた。
 凜さんは当時、小学校1年生だった。「震災の記憶が残っているのは私たちがぎりぎりだと思う。つらい経験を風化させず、伝えていきたい」と話した。