利用率38%にとどまる 市立図書館のセルフ貸出機 アンケー トで明らかに
令和4年3月24日付 7面

大船渡市盛町の市立図書館(熊谷善男館長)の館内で昨年4月から、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として運用されている「セルフ貸出機」の利用率が38%にとどまっていることが同館が行った利用者アンケートで分かった。同館は新年度、市民への周知を強化し、利用促進を図る。
同館では、昨年3月までに所蔵する約15万冊に約5㌢四方のICタグを貼り付け、同4月から受付カウンター前に設置した貸出機1台の運用を開始。画面のボタンを押し、利用者カードをかざして冊数を選び、まとめて置くだけで数秒で手続きが済む。そばに消毒液も備える。
アンケートは昨年12月20日から今年1月31日まで行い、市民141人から回答を得た。
「セルフ貸出機を利用しているか」との問いに「利用している」は54人、「利用していない」は47人、「貸出機があることを知らなかった」は36人だった。「何回か利用したが、今は利用していない」という人も4人いた。
割合にすると「利用している」は38%、「利用していない」は33%、「知らなかった」は26%――などとなった。
利用していない人への理由の問いでは「カウンターの方が便利」が27%、「場所が分からない」が24%、「操作が分からない」が11%──などと続き、周知が浸透していないことが浮き彫りとなった。
同館の本年度(昨年4〜12月)の貸し出し利用者数は約1万7700人(前年度同期約1万4100人)、貸出冊数は約9万9000冊(同約9万冊)。コロナ禍でも前年度より利用者が増え、受付での対面接触や混雑を避けることができるセルフ貸出機の利用促進が感染防止のための課題となっている。
同館は31日(木)まで臨時休館中で、4月からの新年度は㈱図書館流通センター(TRC・東京都文京区、細川博史社長)が指定管理者として運営する。
熊谷館長は「新年度は指定管理者の持っているノウハウにも期待し、セルフ貸出機を含め、これまで手が回っていなかったIT(情報技術)の活用、周知を進めたい」と話す。
セルフ貸出機に関する項目のアンケート結果は別掲グラフの通り。