設計案巡り意見交換 滝観洞受付棟 第2回ワークショップで

▲ 新施設に関してさまざまな意見が寄せられた第2回ワークショップ

 令和5年度中の完成を目指し、上有住の滝観洞観光センター受付棟の解体・新築工事を進める住田町は25日、五葉地区公民館で第2回のワークショップを開催した。昨年12月の第1回ワークショップで参加者から出された意見・要望などを反映させた設計案、新施設運用などを巡って意見を交わした。
 受付棟の新設工事設計業務は、昨年10月の公募型プロポーザルを経て、アトリエハレトケ(長崎辰哉代表取締役)・武山大樹建築設計事務所(武山大樹代表)共同企業体に決定。同企業体は「おらいの滝観洞」として人が集い、やすらぎを感じる施設として提案。テラスの配置や外壁に焼スギ板張りなどの採用も検討。2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンター、事務スペース、倉庫を配置。2階には食堂や滝観洞の名物「滝流しそば」の体験スペース、展望ラウンジ、テラスを計画している。
 この日のワークショップには、長崎代表取締役、武山代表、町、地区住民、同町の一般社団法人・邑サポート、施設を運営する住田観光開発㈱などから合わせて約20人が出席。
 はじめに、滝観洞の再整備計画案や当初設計案、第1回のワークショップで出た意見を反映させた設計案などについて、町と共同企業体側が説明。前回ワークショップでは、「入洞できない人への対応も」「キッズスペースがほしい」といった声があり、今回示した設計では、2階食堂内にキッズスペースを配置し、複数カ所にテレビモニターを設置して洞内の様子を映すことで雰囲気を味わえるよう配慮が加えられた。
 また、冬季の積雪への備えとしては、軒先融雪ヒーター用の電源確保などで対応。「食堂を忘年会や飲み会で使いたい」「そば打ち体験など、来訪者が参加できるイベントを開催できるとよい」との意見には、可動式のテーブルを用いて用途によって使い分けできるよう工夫している。
 「建物と一緒に撮影すると写真映えしたり、何の施設か分かるサインがほしい」との要望に関しては、「おらいの滝観洞」と記されたロゴマークが設計者から提案された。
 意見交換では、地場産品の販売による活性化、雨水や落ち葉、湿気などに関する質問・要望も寄せられ、新施設の運用に反映させていく。来年度以降もワークショップを開催し、新施設活用に向けソフト面で住民の声を集めていく予定。
 滝観洞は日本有数の洞内滝を有する鍾乳洞で、昭和41年に洞窟開きが行われて以来、名物「滝流しそば」や滝観洞観光センターとともに町内有数の観光資源として位置付けられている。
 町では、滝観洞周辺の魅力的な環境づくりを通じて持続的な観光振興を実現することを目的とし、老朽化した関連施設の再整備計画案作成を邑サポートに委託し、昨年度、計画が策定された。計画ではハード・ソフト両面で段階的に整備を図っていくこととしており、本年度内に基本設計・実施設計を行ったあと、来年度内に既存の受付施設を解体。5年度内に新しい受付施設を完成させ、6年度からの供用開始を目指している。