1000年以上に1回の豪雨 広範囲での被害予測 綾里川の洪水浸水を想定 県が区域指定
令和4年3月27日付 1面
県は、大船渡市三陸町綾里を流れる綾里川の洪水浸水想定区域を指定した。同川では、50年に1回規模の大雨の場合は浸水区域が発生しない予測となった一方、最大規模となる1000年以上に1回の豪雨では川沿いや低地などの広範囲にわたる浸水、流域の河岸浸食といった被害が発生すると想定。全国各地で豪雨被害が頻発する中で、県は「浸水などの危険性を認識し、早期避難などに役立ててほしい」として活用を呼びかけている。
早期避難への活用呼びかけ
洪水浸水想定区域は水防法に基づき、想定最大規模の降雨による洪水で浸水が想定される区域や深さなどを示したもの。各市町村が作成する洪水ハザードマップの基本情報となる。
県は平成29年12月、国や市町村と構成する大規模氾濫減災協議会で取りまとめた「5カ年計画」に基づき、令和3年度までに水位周知河川に指定する44河川を同区域に指定することとし、これまでに気仙地域の気仙川、大股川、盛川、矢作川を含む36河川で実施。気仙川と大股川は平成30年度、盛川は令和元年度、矢作川は2年度に指定した。
また、これらとは別に、昨年7月の水防法改正に伴って綾里川など7河川が新たに指定義務の対象に。県は5カ年計画に定めた残る8河川と、指定義務対象となった7河川の調査・解析を進め、今月22日付で洪水浸水想定区域の指定を行った。
綾里川は、洪水浸水想定区域図(想定最大規模、計画規模、浸水継続時間)と、家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、河岸侵食)の5図を公表。解析区間は綾里川ダムの直下流から河口までで、指定時点の同川における河道と同ダムの洪水調節などを勘案し、想定しうる最大規模の降雨に伴う洪水により氾濫した場合の浸水状況を予測した。
このうち、洪水浸水想定区域は1000年以上に1回の大雨(24時間総雨量747㍉)による「想定最大規模」と、50年に1回の大雨(同246㍉)が降った場合の「計画規模」において、浸水するおそれがある区域の浸水深(浸水する深さ)を想定。図面では、▽0・5㍍未満(一般的な家屋の1階床高に相当)▽0・5~3㍍未満(2階床下相当)▽3~5㍍未満(2階水没相当)▽5~10㍍未満──を色分けして表現した。
綾里川は、計画規模の降雨では「洪水浸水想定区域なし」と予測。一方、想定最大規模の降雨に見舞われた場合は、上流から河口までの川沿いに面した平地の広範囲が浸水する見通しを示した。
区域内には、多くの住宅や綾里小学校、綾里郵便局などが含まれており、浸水継続時間は1日~12時間未満を見込む。2階床下相当の浸水高が予測される地域が多く、港、平舘を中心に2階水没相当の被害を想定する箇所もある。
家屋倒壊等氾濫想定区域のうち、河川が氾濫した際に家屋が倒壊、流出するおそれがある「氾濫流」の想定区域はなかった。しかし、大雨による河川の激しい流れで河岸が削られて土地が流出する「河岸侵食」は、解析区間全域の両岸で発生が予測されている。
県は、指定していない区域での浸水、想定を超える浸水高などがある可能性にも触れ、「1000年以上に1回の豪雨が発生すれば、区域図のような危険性があると住民の方々に認識してもらい、いざというときの早期避難につなげてほしい」と話している。
同川の洪水浸水想定区域図などは県ホームページ(https://www.pref.iwate.jp/)から確認できる。






