子育て応援クーポン手厚く 商品券3万円分に引き上げ 市の独自支援事業 出生、小中入学時に交付

 陸前高田市は本年度、子育て世帯の家計支援策として独自に実施している応援クーポンの交付額を拡充する。これまでは出生時に3万円分、小学校入学時に2万円分、中学校入学時に1万円分の地域共通商品券を交付していたが、すべて3万円分に引き上げ、第3子以降はいずれの区分も2万円分を上乗せする。交付準備が整い次第、対象見込みの世帯に周知して申請を受け付ける。(高橋 信)

 

第3子以降は2万円分上乗せ

 

 支援の拡充は、制度を創設した平成29年度以降初めてとなる。子育てにかかる経済的負担を軽減し、安心して子どもを生み育てる環境の形成につなげようとの狙い。
 対象は▽令和4年4月2日以降の出生児で、満1歳になるまでに市に住民登録をした児童▽5年度に小学校に入学予定の児童▽5年度に中学校に入学予定の児童──。
 出生児の申請は7月ごろから受け付ける見通し。小・中学校入学児童は、10月1日時点を基準日とするため同日以降に対応する。第3子以降は2万円分を上乗せし、該当する世帯は出生、入学の各区分で5万円分ずつ受給できる。
 本年度の関連事業費は交付額引き上げにより、前年度のほぼ倍の1222万円を計上した。
 令和2年度は児童314人分の申請を受け付け、交付額は599万円だった。3年度は1月末時点で281人分の申請があり、交付額は519万円。交付率(対象見込みに占める割合)は87・5%となっている。
 市が平成29年に実施した子育て世帯への生活アンケート結果(1716世帯回答、回収率89・2%)によると、年間所得122万円以下の世帯の割合(貧困率)は、中学生保護者(415世帯)が16・9%、小学生保護者(639世帯)が15・6%、未就学児保護者(477世帯)が9・9%。経済的にゆとりがない家庭の割合が、児童の年齢が上がるほど上昇していることが明らかになった。
 全体では14・1%で、全国平均を0・2ポイント上回った。
 また、未就学児と小学生の保護者を対象として、令和元年に実施した支援ニーズ調査結果(1104人回答、回収率82・4%)によると、子育ての悩みに関する問いに、「経済的負担が大きい」と回答した割合は29・8%で、平成25年の前回調査よりも7・9ポイント上昇した。
 市子ども未来課の千葉達課長は「子育て世帯の経済的負担の軽減につなげていくため、交付額の見直しなどを検討してきた。応援クーポンを含むさまざまな支援策を通じ、陸前高田で楽しく子育てができる環境を整えていきたい」と話している。
 拡充内容は別表の通り。問い合わせは、同課(℡54・2111内線250)へ。