11月20日告示、27日投票 市長選 選挙管理委員会が日程決定
令和4年4月8日付 1面
大船渡市選挙管理委員会(佐々木一郎委員長、委員4人)は7日、市役所で定例会を開き、任期満了に伴う同市長選・市議会議員補欠選挙の日程を「11月20日(日)告示、27日(日)投票」と決めた。市長選では、すでに新人1人が立候補を表明し、今後、新たな擁立の動きが注目される。
市長選は12月2日(金)の任期満了に伴うもので、昭和27年の市制施行から数えると通算20回目。三陸町との合併後は6回目、東日本大震災発生以降は3回目となる。任期満了日が12月2日となった同61年以降の市長選を振り返ると、いずれも11月中旬~下旬に告示・投票の日程が組まれてきた。
任期満了まで1年を切った昨年12月3日、新人でイベント企画業代表の鈴木茂行氏(52)=猪川町=が立候補を正式表明。スピード感ある市政運営や人口増加策などを強調し、無所属で臨む方針。後援会活動を通じた住民対話や街頭活動、SNSでの発信などに力を入れている。
市内では、新たな候補擁立や起意表明の動きに関心が高まっている。さらに、東日本大震災直前から3期務める現職・戸田公明氏(72)=同=や、過去の市長選経験者らの動向も焦点となる。
戸田氏は、平成18年に初出馬し、現職に敗れた。22年に再び挑み、新人同士の三つどもえから初当選。26年に再選を果たし、30年11月に行われた前回は、元参議院議員の藤原良信氏(70)=日頃市町=との一騎打ちを制した。現時点で態度を明らかにしていない。
藤原氏も、今市長選への直接的な言及はない。惜しくも敗れた候補が続けて挑むケースは過去にも見られるほか、四半世紀超にわたる県議、参議院議員の経験から注目されている。
大船渡市は今年市制施行70年を迎え、三陸町の合併から20年が過ぎた。東日本大震災の復旧・復興施策を進め、大船渡町の中心市街地などで新たなまちづくりが進み、三陸沿岸道路が全線供用を迎えるなど都市間移動の利便性が増した。
一方で合併当時約4万5000人の人口は1万人以上減り、少子高齢化が進展する中でのまちづくりに追われる。人口や財政規模の〝縮小〟が進む中でのかじ取りや、復興事業で整備された空間・施設を生かした活性化策、産業振興、子育て環境の充実などに加え、国内外の動きに対応した持続可能な市政運営も問われる。
市長選に合わせ、欠員1となっている市議会議員補欠選挙も同日程で実施。現段階で、立候補表明者はいない。
3月1日現在、同市の有権者数(18歳以上)は2万9974人(男1万4292人、女1万5682人)。前回選の投票当日有権者3万1536人と比べて、1562人少ない。(佐藤 壮)