朗希 オリックス戦で完全試合を達成 異次元の投球、令和の怪物伝説始まる 日本新の13連続含む19奪三振 史上最年少での大快挙

▲ 完全試合を達成し、ウイニングボールを手に笑顔のロッテの佐々木朗希=10日、千葉・ZOZOマリンスタジアム(時事)

 千葉ロッテの佐々木朗希投手(20)=陸前高田市出身、大船渡高出=は10日、千葉県のZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦で、プロ野球史上16人目、史上最年少での完全試合を達成した。日本記録を大きく塗り替える13者連続奪三振、同記録に並ぶ1試合19奪三振と、異次元ともいえる投球で球史に輝く金字塔を打ち立て、今季2勝目を上げた。プロ入り3年目での覚醒。令和の怪物伝説がここから始まる。(阿部仁志)【7面に関連記事】

 

プロ野球史に輝く金字塔/初完投で今季2勝目

 

 佐々木投手は初回、160㌔台の直球と落差のあるフォークがさえ、2死から3番打者を空振り三振に抑えた。その裏に1点の援護を受け、二回以降も、自己最速タイの164㌔をマークするなど、圧巻の投球で相手打線を圧倒。五回まで13者連続で三振を奪い、連続奪三振記録を更新した。
 六回先頭打者に中飛を打たれ記録は止まったが、その裏には味方打線が一挙5得点と大量援護。七回2死から八回にかけて4連続三振、九回にはゴロ二つのあと空振り三振で締め、史上初となる初完投、初完封、毎回奪三振での完全試合という大快挙を成した。
 日本のプロ野球における完全試合は、平成6年5月に巨人・慎原寛己が達成して以来28年ぶりで、21世紀に入ってからは初。20歳5カ月での達成は、昭和35年8月に大洋・島田源太郎が20歳11カ月で達成した記録を抜く最年少記録となった。
 また、連続奪三振のプロ野球記録は64年ぶりに更新。同32年7月に阪急・梶本隆夫、同33年5月に東映・土橋正幸がそれぞれマークした「9」の記録を大幅に塗り替えた。
 1試合の奪三振数は、同54年6月に村田兆治がマークした球団最多記録「16」を超える「19」。平成7年4月にオリックス・野田浩司がロッテ戦でマークした日本記録に並んだ。
 今季初登板となった3月27日の楽天戦での10奪三振、今月3日の西武戦での13奪三振に続く3戦連続2桁奪三振記録も、ロッテでは平成7年以来27年ぶりとなった。
 1軍登板わずか14試合目で日本プロ野球史上最高、最上の投球を披露し、球史に残る数々の記録を打ち立てた佐々木投手。試合終了後は「最高。最後まで(捕手の)松川を信じて投げた。次回も良いピッチングができるように頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。
 佐々木投手は、大船渡高時代に163㌔をマークして注目を集め、一昨年にドラフト1位でロッテに入団。1年目は実戦登板はなく、じっくりと育成が図られ、2年目の昨季は11試合に登板して3勝をマークした。
 今季は初の開幕ローテーション入りを果たし、本拠地での西武戦で初白星。初の連勝を完全試合という大快挙で飾った佐々木投手の今後の快進撃が期待される。