気仙の少子化止まらず 4年度の小中学生3334人 前年度を80人下回る

 気仙3市町の教育委員会によると、令和4年度当初における3市町の小学生は2144人(前年度比68人減)、中学生が1190人(同12人減)の合計3334人(同80人減)となった。前年度当初と比較して大船渡、陸前高田両市は減少し、住田町は微増した。合計数は10年前の平成24年度と比べて3割余り減少しており、少子化の進行が浮き彫りとなった。(三浦佳恵)

 

10年前と比べ3割余減

 

 本年度における気仙の小中学校数は、大船渡市が11小学校、4中学校、陸前高田市が8小学校、2中学校、住田町は小中ともに2校。昨年度から増減はなかった。
 小中学校数を平成24年度と比べると、大船渡市と陸前高田市で各5校、計10校が減少。両市とも、それぞれの小学校1校、中学校4校が閉校した。
 児童・生徒数は、大船渡市が小学生1375人(前年度比32人減)、中学生719人(同25人減)の計2094人(同57人減)。陸前高田市は小学生627人(同27人減)、中学生374人(同3人増)の計1001人(同24人減)。住田町は小学生142人(同9人減)、中学生97人(同10人増)の計239人(同1人増)。
 平成24年度以降の推移をみると、同年度の児童・生徒数は4897人だったが、25年度以降は毎年100~200人台の減少となり、29年度以降は3000人台を維持しながらも、減少傾向は続いている。
 本年度と平成24年度を比べると、3市町の合計は1563人(31・9%)の減。市町別の減少数をみると、大船渡市は小学生413人(23・1%)、中学生401人(35・8%)の計814人(28・0%)だった。
 陸前高田市は小学生375人(37・4%)、中学生217人(36・2%)の計592人(37・2%)。住田町は小学生123人(46・4%)、中学生34人(26・0%)の計157人(39・6%)となった。
 本年度、全校児童数が最も多いのは猪川(大船渡市)の295人で、最少は矢作(陸前高田市)の22人。
 学年当たり2クラス以上あるのは、大船渡市の猪川(全学年)と立根(1年)。
 一方、複式学級編成は大船渡市が日頃市(2・3年)と吉浜(3・4年、5・6年)、陸前高田市が竹駒(1・2年)、矢作(3・4年、5・6年)、気仙(3・4年)、住田町は有住(2・3年)となっている。
 新1年生は、大船渡市が223人(同11人減)、陸前高田市が110人(同12人増)、住田町が23人(同6人増)で、合計は356人(同7人増)。学校別の最多は猪川の45人で、最少は竹駒の2人。10人を割った学校が6校あった。
 中学校の全校生徒数最多は第一(大船渡市)の404人で、最少は有住の35人。学年当たり2クラス以上あるのは、大船渡市が第一(全学年)、大船渡(1、3年)、東朋(2年)で、陸前高田市は高田第一(全学年)と高田東(同)。
 新1年生は、大船渡市が241人(前年度比1人増)、陸前高田市が137人(同18人増)、住田が32人(同3人減)で、合計は410人(同16人増)。学校別の最多は第一(大船渡市)の139人、最少は有住(住田町)の13人だった。
 児童・生徒数の減少傾向を受け、各市町では小中学校の統合を含む教育環境の整備、充実を進めてきた。最近の動きをみると、大船渡市は平成29年2月に策定した「市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画」を今年3月に一部改訂。児童・生徒数の推計値などを見直すとともに、令和3年度までの計画前期中に統合が実現しなかった小中学校について今後の方向性も示した。
 住田町では、町教委の諮問を受けた教育審議会が今後の小中学校のあり方に関し、「中学校は統合が望ましい」「小学校は時機を待って統合を」と答申。住民の合意を得ながら、まずは中学校の統合に向けた協議を進めていくとしている。
 これまでの統合協議を振り返ると、その実現にはPTAや地域住民らの合意形成が欠かせず、今後の動向が注視される。少子化の中、子どもたちが充実した学びと経験を得られる環境をどう構築していくかが、教委や地域に問われている。
 児童・生徒数の推移は別表。