ふるさと納税 過去最高7・7億円 3年度実績 「巣ごもり需要」追い風に
令和4年4月21日付 1面
陸前高田市のふるさと納税「陸前高田がんばっぺし応援寄附金」の令和3年度寄付額(速報値)が、前年度比19%増の7億7733万円となり、過去最高を更新した。2年度に引き続き、新型コロナウイルス禍に伴う「巣ごもり需要」を取り込めたのが主な要因。本年度は8億円を目指し、返礼品の充実などを図っていく。(高橋 信)
本年度は8億円目指す
3年度の寄付金を月別でみると、最多は例年駆け込みで寄付が増える12月の約3億8120万円(前年度比14%増)で、年間の半分近くを占めた。以下、11月約1億2080万円(同34・8%増)、10月約6400万円(同30・5%増)などと続く。
市からの委託を受け、返礼品取り扱い業務を担う陸前高田地域振興㈱と㈱フロムゼロ(北上市)の共同企業体「ふるさと陸前高田」は、寄付者にダイレクトメッセージを配信するなどPRに力を入れ、寄付者の声を参考に返礼品のリニューアルにも取り組んだ。
返礼品の梱包・発送作業を、気仙両市の授産施設利用者が担っているのも同市の特徴の一つ。寄付者には作業の様子を伝えるチラシも発送しており、障害者を応援しようと、寄付を続ける人もいるという。
陸前高田地域振興の担当者は「利用者の丁寧な作業は好評を得ている。繁忙期にいかにスムーズに発送できるかなど課題もあるが、さらなる寄付増を達成したい」と話す。
ふるさと納税は、出身地や応援したい特定の自治体に寄付できる制度。寄付金のうち2000円を超える金額について所得税の還付、住民税の控除を受けられる。
市は平成20年度に始め、東日本大震災後の中断を経て、27年7月に受け付けを再開した。
寄付額は、28年度から令和元年度まで毎年4億円台で推移。2年度は「巣ごもり需要」の追い風を浴び、前年度比1・6倍の約6億5000万円に伸ばした。納税者が選べる寄付金の使い道は「子ども支援」「農林水産業・商工業などの振興」など九つの分野を設けている。
市商政課ブランド推進係の遠野正隆係長は「震災後、当市に思いを寄せる〝陸前高田思民〟の方々にも寄付いただいており、こうしたつながりを大事にしながら、引き続きふるさと納税をPRしていきたい」と見据える。
平成27年度以降の年間実績は別掲。