食と環境問題考えながら 大船渡東高食物文化科 ワカメの刈り取り体験(別写真あり)

▲ 養殖ワカメの刈り取りを体験する生徒

 県立大船渡東高校(千葉久校長、生徒245人)の食物文化科の3年生4人は20日、大船渡市地域おこし協力隊員や越喜来漁協の協力を受け、三陸町の越喜来湾でワカメの刈り取り体験を行った。4人は課題研究授業の一環で、食と関連する「SDGs(持続可能な開発目標)」などの環境問題を考えている。
 東京都出身で越喜来に移住し、一昨年からワカメやホタテ養殖などを手がけている市地域おこし協力隊員の岡田真由美さん(47)と薫省さん(52)夫妻が泊漁港でワカメ養殖の一年の流れなどを紹介した。
 越喜来漁協所属で県認定青年漁業士の里見和哉さん(36)を船頭に、生徒らと岡田夫妻は漁船に乗り込み、出港。同漁港から15分ほどの館ケ崎漁場で同漁協が管理する、規格外で商品としては出荷できなかったワカメを鎌で刈り取った。
 岡田(真)さんは「三陸は世界三大漁場の一つで、親潮と黒潮がぶつかり、栄養豊富な海水が流れ込んでいる」と説明した。
 「食べ物を勉強している皆さんだからこそ、近年の魚類の不漁なども環境問題とつながっているのではないかという視点で、興味・疑問を持って調べてもらいたい」と呼びかけた。
 生徒たちは手際良く交代で作業し、地域の特産に理解を深めた。刈り取ったワカメは今後、校内の集団給食実習で振る舞う予定。
 大森杏雛さんは「ワカメが大きく育っていてびっくりしたが、思っていたよりさくっと刈れた。ワカメの味わい方を広げられるような意外な調理法を研究したい」と学習意欲を高めた。