市長選/渕上氏(盛町、前市議会議長)が出馬へ 新人3人目 早くも混戦の様相
令和4年5月1日付 1面
11月20日(日)告示、27日(日)投開票の任期満了に伴う大船渡市長選挙に、新人で前市議会議長の渕上清氏(63)=盛町=が出馬意思を固めた。無所属で臨む方針で、近く記者会見を開く。市長選に立候補の意思を示したのは3人目で、いずれも新人となっている。告示まで半年以上を残し、現職をはじめ市長選経験者の態度表明はないが、早くも混戦の様相を呈している。(佐藤 壮)
渕上氏は4月30日、東海新報社の取材に対して「これまで東日本大震災の復旧・復興に関する事業の議決をしてきた。それぞれの事業をつなぎ合わせ、効果の出るものにしたい。50年後、100年後を見据え、スピード感を持って取り組みたい」と答えた。自身の後援会(今野武義会長)幹部には出馬の意思を伝えているという。
盛町出身の渕上氏は大船渡高校卒。大船渡青年会議所理事長や東北ブロック商工会議所青年部連合会会長などを歴任し、現在は屋根板金工事などを展開する㈲フチガミの取締役や、大船渡五葉ライオンズクラブ会長などを務める。
市長選出馬は初めて。平成19年の県議選大船渡選挙区(定数1)に出馬し、僅差で敗れた。22年の市議補選で初当選し、連続4選。一昨年5月、第21代の議長に就任した。
昨年2月、取締役を務めていた㈱地域活性化総合研究所の収入の大半を市からの委託費が占め、地方自治法の「兼業禁止」に抵触するとの指摘を受け、市議を辞職。同研究所の取締役も退いた。
今市長選を巡っては、ともに新人でイベント企画業代表の鈴木茂行氏(52)=猪川町=と、元会社役員の村上守弘氏(63)=同町=の2人が、すでに出馬を表明している。
3期目の現職・戸田公明氏(72)=同町=は態度を明らかにしておらず、前回選に挑んだ元参議院議員の藤原良信氏(70)=日頃市町=は言及していない。
このほかに、水面下で出馬や擁立を探る動きが見られる。告示まで6カ月以上を残すが、早くも混戦の状況になりつつある。
今市長選は12月2日(金)の任期満了に伴うもので、昭和27年の市制施行から数えると通算20回目。三陸町との合併後は6回目、東日本大震災発生以降は3回目となる。
4人が出馬した昭和59年の第10回以降、複数候補による競争選挙が繰り広げられてきた。3人以上の争いとなれば、現職の戸田氏が初当選を飾った平成22年以来となる。
市長選と合わせ、市議会議員(定数20、欠員1)の補欠選挙も行われる。3月1日現在、同市の有権者数(18歳以上)は2万9974人(男1万4292人、女1万5682人)。前回選の投票当日有権者3万1536人と比べて、1562人少ない。