気仙川でアユの遡上調査開始 県内水面水産技術センター 資源管理・増加に向け(別写真あり)

▲ 気仙川で始まったアユの遡上調査

 県内水面水産技術センターによる気仙川でのアユ遡上調査が6日、陸前高田市内2カ所で始まった。気仙川漁協(小山公喜組合長)の協力を得て7月まで月2回のペースで投網を行い、資源量の増加ピーク時期を探っていく。継続的に実施することで、同川の資源管理にも役立てていく。
 調査は、気仙川で稚アユの遡上状況を経年的に把握し、年変動にも着目しながら県内アユの資源管理の基礎資料として役立てようと、県の「内水面漁業振興事業」の一環として実施。天然アユの傾向や特徴など、関係者間での情報共有も狙いとしている。
 予備調査を含め、今回で6年連続の実施。調査の定点ポイントは、陸前高田市竹駒町と矢作町に架かる廻舘橋下流側、竹駒町の出口大橋付近としている。
 6日の調査には、同センターの西洞孝広首席専門研究員と貴志太樹主任専門研究員、同漁協の組合員合わせて約10人が参加。センター職員が見守る中で組合員が投網を行い、アユの数を確認。廻舘橋下流側では3匹、出口大橋付近では13匹が採捕された。サイズは最大で約12㌢、平均で10㌢超と、例年並みだった。
 近年は全国的にアユの不漁が続いているが、西洞首席専門研究員は「どういった方法であれば効率よく資源を増やせるかが分かればと考えている。気仙川漁協独自の人工ふ化増殖にも役立てたい」と語る。
 調査は今後、7月までの間に計6回、同漁協の協力を得て行う予定。同センターと漁協が調査結果を共有することで、アユ漁活性化につながる情報発信などへの活用が期待される。
 同川のアユ釣りの解禁日は例年通り、7月1日(金)となる見込み。
 昨年は、7月後半に連日の降雨に見舞われて一時的に魚が弱るなどしたが、その後は気温も上がって再び釣果も上向いた。型もよく、8月には22~23㌢、大きいものでは「尺サイズ」(30㌢)も釣り上げられた。9月に入ってからも入り込みは多く、解禁日並みの人数が訪れる日もあった。今年も豊漁に期待がかかる。