連休明けも定置網200㌧ 大船渡市魚市場 スケトウダラの豊漁続く(動画、別写真あり)

▲ スケトウダラだけで約200㌧に達した6日の大船渡市魚市場

 大船渡市魚市場は6日朝、3連休明けの開場となり、定置網を中心に208㌧の水揚げがあった。このうち、スケトウダラが198㌧。連休前の2日も209㌧に達し、近年にない豊漁が続く。魚市場は水揚げ作業の活気に包まれ、関係者は他魚種も含めた今後の豊漁に期待を込めていた。(佐藤 壮)

 

 同魚市場は、ゴールデンウイーク後半の3~5日を完全休業とした。営業を再開した6日は、気仙沿岸の定置網で漁を終えた船が次々と接岸。構内には魚が入ったタンクが並び、すっきりとした青空の下で、市場関係者が慌ただしく作業に追われた。
 水揚げの大半を占めたスケトウダラは、タラ科の白身魚で、卵はめんたいこの原料にもなる。北日本を含む北太平洋に広く生息し、単一種としての漁獲対象資源では世界有数。都道府県別の漁獲量ではこれまで、北海道が90%前後を占めてきた。
 買受人らによると、大船渡での水揚げ分は、国内向けではかまぼこ、ちくわなどの原料として引き合いがある一方、中国をはじめとする輸出の需要が大きいという。6日は入札の結果、1㌔当たり50~100円で取引された。
 魚市場では、休業前の2日も210㌧の水揚げがあり、ほぼすべてがスケトウダラだった。今月は営業2日目で400㌧を超え、一気に先月1カ月分(446㌧)に近づいた。
 県水産技術センター水産情報配信システムによると、大船渡での水揚げ実績は、平成24~26年が年間1700㌧を超えたが、過去5年間は7~68㌧で推移。同センターでは、今年の豊漁の要因の一つとして、冷水帯が沿岸に寄っている状況を挙げる。
 市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「スケトウダラはしばらくぶりの豊漁。主力魚種の不漁が続いている中で、商材として仕事になる魚なのでありがたい」と歓迎する。
 昨年の定置網漁では、5月の連休明けからサバが増えた。佐藤専務は「サバは近年、不安定な状況が続いているが、全国的に必要とされている魚種。これから増えてほしい」と期待を寄せる。
 6日の水揚げでは、マス類に加え、例年夏場に数量が伸びるサワラも目立った。水揚げ風景を見守った買受人からは「夏に向けて魚種も変わり始めている。もっと漁況がよくなっていけば」といった声が聞かれた。
 市魚市場の昨年度水揚げ数量は2万3955㌧、金額(税込み)では42億6450万円で、いずれも前年度比で30%減。主力魚種であるサンマやイワシなどが前年を大きく下回り、漁業別では定置網の数量が伸びず、昭和49年度以来47年ぶりの2万㌧台に終わっただけに、巻き返しへの期待は大きい。