県営住宅で〝岩手暮らし〟を 県 月額1万円でお試し居住 気仙両市の5団地も対象、

 県は、県内の県営住宅を活用し、県外からの移住定住促進を図る令和4年度の新規事業「〜岩手に住もう〜いわてお試し居住体験事業」に取り組んでいる。県外から岩手への移住定住を希望する人に対し、家電などを設置した県営住宅を月額1万円で貸し出し、〝岩手暮らし〟を体験してもらうもので、対象の団地には気仙両市の5団地も含まれている。入居者には県産米の提供も計画しており、県は「まずは岩手に住むきっかけづくりを」と入居者を募集している。(三浦佳恵)

 

移住定住の促進図る

 

 同事業は、県が掲げる「いわて県民計画(2019〜2028)」に関連する重点テーマである「人口減少社会への対応」の社会減対策の一つ。県外からの移住定住の促進と、県営住宅ストックの有効活用を図ろうと本年度新たに取り組む。県県土整備部建築住宅課によると、東北では福島県が昨年度から同様の事業を行っているという。
 募集戸数は、県内13市町の県営住宅28団地のうち合計15戸。気仙では、大船渡市の長谷堂(猪川町)、上平(大船渡町)、みどり町(盛町)、関谷(立根町)と、陸前高田市の栃ヶ沢(高田町)の5団地で入居者を募る。
 県外から岩手県に移住定住を希望していれば、単身でも家族でも入居可能。ただし、▽世帯主が申請日時点で18歳以上(高校生は不可)59歳以下▽県公式SNSなどにおいて、県内の生活の様子や魅力について情報発信する(インタビューへの対応)▽県が行うアンケートへの協力▽暴力団員でない(同居者を含む)▽3カ月以上の使用を希望する──の要件を満たさなければならない。
 申請受け付けは16日に開始しており、審査のうえ、先着順で入居者を決定。申し込みから入居までは1カ月程度を要するが、入居できるのは早くても7月1日(金)からとなる。
 入居期間は原則3カ月以上で、最長は1年間。家賃は月額1万円だが、共益費、町内会費、(利用の場合のみ)駐車場使用料がかかる。ペットの飼育は不可。
 冷蔵庫や洗濯機、テレビ、照明、エアコンなどの家電は、県が用意。Wi─Fiも無料で利用できる。
 入居期間中は、毎月1人につき4㌔の県産米を提供し、食の面からも岩手の魅力に触れてもらう。
 同課によると、県ホームページで事業内容を紹介したところ、県外から問い合わせが寄せられており、関心が集まっているという。同課では「この機会を利用してまずは岩手に住んでもらい、移住定住につなげてほしい。大船渡市や陸前高田市が行う移住定住の取り組みにも役立ててもらいたい」と話している。
 事業の詳細は県ホームページ(https://www.pref.iwate.jp/index.html)で確認できる。気仙の対象団地、県が設置予定の家電一覧は別表。