練習成果を地域に発信 市内小学校で運動会 郷土芸能披露など多彩に(別写真あり)
令和4年5月22日付 7面

大船渡市内の多くの小学校で21日、運動会が行われた。新型コロナウイルスの影響で開催規模の縮小を余儀なくされる中、児童らが日々の学校生活で培ってきた力を存分に発揮。個人、団体の各競技のほか、地域に伝わる郷土芸能などの披露もあり、地域に活気をもたらした。(菅野弘大)
心そろえて伝統の演舞/大船渡北
大船渡市立大船渡北小学校(佐々木一義校長、児童105人)の運動会では、本年度も4〜6年生の児童らが地元の郷土芸能・赤澤鎧剣舞を演舞。取り組んできた稽古の成果を発揮し、地域の歴史と伝統を心をそろえて表現した。
同校では昭和60年から、運動会で赤澤鎧剣舞を披露している。現在は、4〜6年生が長い伝統を受け継いでおり、剣舞の歴史や由来、舞に込められた思いなどに理解を深める学習会を実施しているほか、地元の赤澤芸能保存会(平山徹会長)からの指導を受け、上達を目指している。
本年度は55人が稽古に取り組んできた。本番では、55人全員が手作りの「尻伽」を着用し、同校の郷土芸能部や同保存会の小中高生らで構成される「唐獅子会」に所属する19人は装束を身につけて演舞。同保存会メンバーによる太鼓の演奏に合わせて扇子や太刀を振り、来場した保護者らに厳かな郷土芸能の世界観を伝えていた。
郷土芸能部の部長を務める髙山苺依さん(6年)はこの日、手本役として最前列でささらを演舞。「たくさんの人の前で披露するのは緊張したけど、とても楽しかった」と笑顔を見せた。
大漁旗のもとで「唄い込み」/綾里

空にはためく大漁旗の下で児童らが「唄い込み」を披露=綾里小
綾里小学校(渡辺信子校長、児童83人)の3〜6年生59人は、運動会のオープニングセレモニーとして、長年継承されている「大漁唄い込み」を披露した。児童らが、青空にはためく大漁旗のもとで熱く舞い、海のまちに生きる心意気を示した。
同校では、40年以上前から運動会の場で児童らが大漁唄い込みを披露。そろいの法被に身を包み、男子は銀色、女子は金色の棒「櫂」を持って「ヨーイドコラサ」の掛け声とともに踊るのが特徴で、本年度は初めて、同校卒業生が児童らの演舞と太鼓の指導にあたった。
本年度の運動会では、綾里の4地区から借りたものと同校に寄贈されたものの合わせて約50枚の大漁旗が、校庭の空や校舎の壁に掲げられ、海のまちらしい雰囲気が広がった。太鼓の勇壮な音とともに入場した児童らは、櫂を回したり、天高く上げるなど、一つ一つの振りに力を込めて演舞。最後はやぐらを組んで、大漁旗を掲げ、運動会の開幕に花を添えた。
太鼓を担当した河原小夏児童会長(6年)は「太鼓の音がずれないように気をつけて音を出した。地域の方に見てもらえてすっきりとした気持ち」と達成感をかみしめていた。