参院選岩手選挙区/現・新3人が出馬予定 公示予定日まで1カ月 広瀬氏(自民新人)、木戸口氏(立民現職)、松田氏(N党新人)

松田隆嗣氏

木戸口英司氏

広瀬めぐみ氏

 7月10日(日)の投開票が見込まれる第26回参議院議員選挙は公示日が想定される6月22日(水)まで、きょうで1カ月となった。岩手選挙区(改選数1)には、自民党の新人・広瀬めぐみ氏(55)=盛岡市出身、立憲民主党の現職・木戸口英司氏(58)=花巻市出身・1期、NHK党の新人・松田隆嗣氏(48)=神戸市出身=の3人が立候補を表明している(並びは表明順)。今月に入り、気仙でも広瀬氏がすでに街宣活動を行い、木戸口氏も下旬に気仙入りを予定。現時点では両陣営を軸とした選挙戦となる見通しとなっている。(八重畑龍一)


 広瀬氏は今月14、15日、鈴木俊一財務相(衆院岩手2区)の気仙3市町での国政報告会に合わせて来訪し、マイクを握った。昨年11月の出馬表明以来、複数回訪れ、支持を呼びかけている。1月ごろから鈴木氏と並んだ2連ポスターを各地に張り出し、与党候補として連動もアピールする。
 弁護士としての経験を生かし、法律・政策面での児童福祉や子育て支援の拡充、女性、若者の力を生かした地域活性化を訴える。
 鈴木財務相は「女性の弁護士としての活動の経験を生かし、新しい視点、女性の視点で岩手の抱える課題を掘り出し、解決するための政策を作り、岩手の発展につなげていくことができる」と太鼓判を押した。
 4月には高市早苗政調会長、茂木敏充幹事長ら党幹部が相次いで本県入り。平野達男元参院議員が選対本部長に就き、野党勢力に先駆け、各市町村に選対を立ち上げ、県議らの支援も受けて大型連休中も精力的に県内を回って遊説をこなし、知名度アップを図った。
 昨秋の衆院選では、岩手3区で現・立民県連最高顧問の小沢一郎氏を初めて破った余勢も駆り、党としては30年ぶりとなる岩手選挙区での議席奪還へ、異例のてこ入れぶりを見せる。
 連立政権を担う友党公明党も推薦を決めている。
 平野選対本部長は「新人候補なのでまだまだ顔と名前が浸透しきれていない。浸透させることでまだまだ伸びる。その広がりが帰趨を決する」と気を吐く。
 木戸口氏は今月28日に気仙入りを予定。「岩手を守り、日本を変える」と、コロナ対策の検証・立て直しや、地域医療、農林水産業の振興、地方分権の加速化などを政策の柱とする。
 立民は今月に入り、気仙支部を立ち上げるなど、後援組織も足場を固める。
 初当選した平成28年参院選では、当時の民進党、共産党、社民党、生活の党の県内野党4党から統一候補として推薦を受け、自民の新人候補などに7万票以上の差をつけて勝利した。
 今回も共産県委員会、社民県連合がそれぞれ県組織レベルで木戸口氏支援を表明しているが、ともに党本部としての推薦は見送る方向となっている。立民最大の支持団体である連合本部が共産と協力する候補を推薦しないとの方針を示していることが背景にある。 
 「非共産」を公言する国民民主党も県連が対応を「本部と相談中」と述べるにとどめ、野党が一枚岩となれるかは未確定だ。
 それでも、かつて自身が政務秘書を務めた達増拓也県知事が「何でもやる」と全面支援を表明。2連ポスターの張り出しにとどまらず、東日本大震災からの復興施策をともに語る対談動画を公開するなど、親密ぶりもアピールしている。
 共産、社民各党県組織とは達増知事後援会を介して間接的に政策協定を結び、参院選や知事選で連勝した共闘再現を目指す。気仙の共産関係者は「岩手で積み上げてきた共闘では負けられない」と強調する。
 NHK党の松田氏は神戸市出身・札幌市在住で、本県には縁がなく、党の公募で公認候補に選ばれたが、まだ動きは見られない。