最終日もにぎわいみせる 滝観洞名物・滝流し蕎麦 施設整備に伴い休業に 再開は令和6年度 (動画、別写真あり)
令和4年5月24日付 7面
住田町上有住の観光地・滝観洞の名物として親しまれる「滝流し蕎麦」は、新施設整備に伴い23日から休業となった。休業前最終営業日の22日は町内外からの観光客らでにぎわい、利用客が滝を流れるようにそばが届く〝アトラクション〟を楽しみながら舌鼓を打った。営業再開は、令和6年度の見込みで、新施設整備によるさらなるにぎわい創出に期待が高まる。(清水辰彦)
全長3635㍍、高低差115㍍にも及び、国内屈指の鍾乳洞として知られる滝観洞。観光洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。
この滝を模して50年以上前に始まったのが「滝流し蕎麦」。以前は川沿いで行われていたが、台風による増水で施設が被害を受け、40年ほど前に現在の場所へと移転。長いパイプから流れてくるそばを味わうもので、大型連休を中心に、県内外からの観光客に親しまれてきた。
「滝流し蕎麦」を含め、滝観洞を管理する滝観洞観光センター(住田観光開発㈱運営)の受付施設は、老朽化に伴い6月ごろから解体・新築工事が始まる。
休業前最後の営業となった22日、午前中はあいにくの悪天候となったが、町外からの入洞者や地元小学生が続々と訪れてにぎわいをみせた。
友人たちと訪れた髙木美海さん(世田米小6年)は「去年の夏にも来て、きょうで2回目。友達と食べるのがおいしかった。建物が新しくなったらまた食べに来たい」と笑顔でそばをほおばった。
新施設は、テラスや外壁に焼スギ板張りなどを採用。2階建て施設の1階には物販スペースや受付カウンター、事務スペース、倉庫を配置する。「滝流し蕎麦」体験スペースは、食堂などとともに2階に設置される計画。解体工事開始後、仮事務所設置までは入洞も休止となる。入洞の受け付けは6月半ばまでには再開となる見込み。
住田観光開発㈱の千葉孝文常務取締役は「滝観洞は地元、地域の人たちにも親しまれているが、リニューアルしたあかつきには、地元だけではなく、全国的に有名なスポットにしていければ」と住田の誇る観光地のPRへ意気込む。