児童生徒への剣舞伝承に力 大船渡町の平山さん 県芸文協功労者表彰受賞
令和4年5月28日付 7面
大船渡市郷土芸能協会長の平山徹さん(77)=大船渡町=は本年度の県芸術文化協会(柴田和子会長)の功労者表彰を受けた。長く市郷土芸能協会の役員を務めているほか、地元の赤澤鎧剣舞と曲禄を伝承する「赤澤芸能保存会」の会長として、郷土芸能の保存継承活動に尽力してきた功績がたたえられた。平山さんは「芸道を後世につないでいきたい」と地元の大船渡北小学校などで子どもたちの指導を通じ、後継者育成に力を入れる。 (八重畑龍一)
表彰式は先週、盛岡市内のホテルで行われ、平山さんら対象者12人に柴田会長から表彰状が贈られた。
平山さんは高校卒業後、赤澤鎧剣舞を始め、平成12年に市から独立した市郷土芸能協会事務局長、副会長を歴任し、24年からは同協会長、県民俗芸能団体協議会副会長に就いた。赤澤芸能保存会では、19年から5代目の会長を務めている。
25年には大船渡北小学校の協力も受けて同校に郷土芸能部を創設。赤澤鎧剣舞を毎週1回放課後に指導し、現在は約20人が所属している。
さらに、27年からは赤澤芸能保存会の後継者として、由来・起源とともに技術を学び、後世につなげていくことを目的とした小中高生らの組織「唐獅子会」を設立し、現在は18人が所属。毎月2回、夜間稽古を行っている。
同剣舞は起源が江戸時代後期とされ、平安時代の源平合戦で滅亡した平家の亡霊を鎮める踊りと伝わる。
大船渡北小では昭和60年から運動会、大船渡中学校では61年から文化祭でそれぞれ剣舞の披露を続けており、平山さんは事前練習の指導のほか、大船渡北小では授業でも剣舞の歴史を伝えている。平山さんは「しっかり腰を下ろすなど、昔からの基本的な所作を大切にしている」と話す。
大船渡北小郷土芸能部副部長で、唐獅子会でも習う飯田莉愛さん(6年)は「(平山さんは)細かく指導し、頑張ってと励ましてくれる。たくさん練習してうまくできると褒めてくれ、うれしい」と感謝する。
市郷土芸能協会に加盟している30団体の中には近年、高齢化や担い手不足で活動を休止する団体もある。コロナ禍で発表の場も減る中、平山さんは「子どもたちにつないでいかないと芸道が途絶えてしまう」と危機感を募らせ、「他の団体にまねてもらえるように頑張る」と力を込める。
少子化や学校統合が進み、高校を卒業すると地元を離れてしまう子どもたちも多いが、「地元のことを知らないのはかわいそうだ。一回習えば覚えていてくれ、地元に戻って来て祭りなどの行事で参加してくれる人もいる」と期待を込めながら、「後継者育成を通じて地元に貢献していきたい」と腕を鳴らす。






