米崎コミセンを本格改修 施設長寿命化へあすから 今秋の完成まで利用不可に
令和4年5月31日付 7面

陸前高田市は6月1日(水)から、米崎町の米崎地区コミュニティセンターの改修工事を本格化する。市有施設の長寿命化、財政負担の平準化を図る市公共施設個別施設計画(令和3〜8年度)に基づく1カ所目の工事で、老朽箇所の補修、バリアフリー化などを実施する。これに伴い、施設は秋ごろの完成まで利用できなくなる。今後も同計画や公共施設等総合管理計画の方針に沿って長期的な視点で施設の更新、統廃合、長寿命化を展開していく。(高橋 信)
工事を前に30日、市まちづくり推進課職員や事務所が入る米崎地区コミュニティ推進協議会の事務局が各部屋の物品を物置などに運び入れた。
市によると、米崎地区コミセンは昭和56年に建築。鉄筋コンクリート造の平屋建てで、床面積は651平方㍍。事務室や休憩室(和室)、資料室、調理室、集会室などを配す。
町民らが日常的に利用している一方、壁や床に亀裂が入っていたり、雨染みの箇所が散見され、老朽化対策が課題となっていた。
これを受け、同推進協議会は平成28年度、旧米崎中校舎(陸前高田グローバルキャンパス)1階へのコミセン機能移転を市に対して要望。同校校庭には当時、応急仮設住宅があったため、仮設撤去完了後の令和2年度から検討してきた。
しかし、学校施設から集会施設に用途変更する場合、建築基準法の絡みで防火設備や浄化槽設備の大幅な拡張が必要となり、さらに地域からの要望にも対応した機能を確保するには、移転費が膨大にかかることが分かり、計画を一度白紙に。地元側の合意のうえ、現コミセンを改修してそのまま使う方針に切り替えた。
工事は屋根の防水加工、トイレを除く各部屋の壁、床の補修、エアコンの設置、電灯のLED化、正面玄関のスロープ整備などを計画。完工まで施設を利用できないため、住民らに注意を呼びかけている。
個別施設計画は施設の長寿命化を図るため、▽市民文化系▽社会教育系▽スポーツ・レクリエーション系▽産業系──など、公共施設ごとの計画的な維持管理の方針をまとめている。
計画によると、市民文化系施設のうち、劣化の度合いが米崎地区コミセン並みなのは矢作、横田の両地区コミセン。市は令和6〜8年度の間に、地域との協議のうえで1カ所ずつ長寿命化のための改修を進める。
上位計画の公共施設等総合管理計画は昨年度改訂され、4〜13年度の10カ年を計画期間とする内容に改めた。今後40年間の施設維持・改築費(都市基盤系を除く)は年平均13億8000万円。人口1人当たり約7万5000円と、人口規模が類似している県内4市と比較すると最も低く、施設の予防修繕を行い財政負担の軽減を図る。
市まちづくり推進課の担当者は「コミセンは地域住民が集う重要な拠点で、利用しやすいよう改修を進められれば。しばらくの間利用できず、ご不便をかける。一日も早い工事の完成を目指すので協力いただきたい」と呼びかける。
問い合わせは、同課(℡54・2111内線122)へ。