〝どどん〟と目を引く新メニュー 「海鮮一本松天丼」が好評 ㈲食彩工房 道の駅の食堂などで販売中

▲ 道の駅内のまつばら食堂従業員もおすすめの「海鮮一本松天丼」

 陸前高田市の㈲食彩工房(齋藤政英代表取締役)が先月から道の駅「高田松原」の食堂などで販売している新メニューで、同市の奇跡の一本松をモチーフにした「海鮮一本松天丼」(税込み1600円)が好評だ。丼の中央にアナゴの天ぷらが立つインパクト抜群の様は、〝写真映え〟するコンテンツとしても観光客らの間でじわじわと人気を広げる。三陸の海の幸をふんだんに使い、味にもこだわった一品で、同社では「道の駅や陸前高田の知名度向上、リピーター増のきっかけに」と期待する。(阿部仁志)

 

 「見た人があっと驚く、陸前高田ならではの一品を」と、約1カ月の開発期間を経て生まれた一押しメニュー。同社が経営する道の駅内「まつばら食堂」と、同じく高田町のアバッセたかた内「かいひん食堂」で、大型連休中の5月3日から提供を開始した。
 特徴は、一般的な海鮮丼とは一線を画すその見た目。丼の中央から上へと〝伸びる〟長さ20㌢余りのアナゴが一本松の木を、その上部にあたる尾に巧みに添えられたオオバがマツの葉をそれぞれ見事に表現している。
 アナゴのほかにも、うま味がたっぷり詰まったカキやホタテ、ぷりぷり食感のエビなど、広田湾や三陸沖でとれた海産物の天ぷらをひと椀にまとめた。サクッと揚がった衣と白米に特製のタレが絡み、食欲をそそる。メカブを添えたミニサイズのそばもセットにし、ボリューミーな内容で客の満足感を満たす。
 遠目でも独特の存在感を放ち、受け取り口に料理が置かれた時や、飲食スペースへ運ばれる時なども、周囲の人たちが思わず目を向けてしまうほど。スマートフォンなどで写真を撮り、インターネットのSNSで拡散する人も見られるという。販売を開始してから約1カ月がたった現在、多くの観光客が来店するまつばら食堂では「毎日コンスタントに売れている」とし、メニューが幅広い客層に受け入れられている現状へ手応えを感じる。
 一本松天丼以外にも、カキフライと住田町のありすぽーくをコラボしたカレーライスなど、地元食材を生かしたメニューの開発に力を入れている同社。店舗の売り上げ向上だけではなく、〝岩手の南玄関口〟にある道の駅や陸前高田のまち全体のイメージアップにつなげ、地域の活性化に寄与したいという思いが根底にある。
 齋藤代表取締役は「店を回すために従業員に負担をかけ過ぎないことや、お客さまに納得してもらえる価格設定なども考えながらメニュー開発を行っている。これからも、三陸の海産物のおいしさを伝え、皆さんに喜んでもらえる料理を提供していきたい」と話している。