3年ぶりに山車運行へ 大船渡・盛町灯ろう七夕まつり 8月7、8日に計画
令和4年6月12日付 1面

大船渡市の盛町夏まつり実行委員会(水野公正実行委員長)は11日までに、盛町灯ろう七夕まつりを8月7日(日)と8日(月)の2日間で開催する方針を決めた。昨年、一昨年は新型コロナウイルスの影響で見合わせたため、3年ぶり。七夕山車の運行や道中踊りに加え、運営支援を通じた県外の大学生との交流も見据える。
実行委によると、まつり運営にかかわる盛青年商工会の幹部らと協議し、開催準備を進める方針を確認。そのうえで、各地域公民館にも説明した。
気仙の夏の風物詩となっている同まつりは、盆前に先祖の霊を迎える星祭りとして古くから開催。明治末期には、現在のように七夕山車が練り歩く光景が見られるようになったと伝わる。毎年、商店街は竹飾りで色鮮やかに彩られ、各祭組が趣向を凝らして制作した七夕山車9台が運行される。
東日本大震災で被害を受けた平成23年も、各地のボランティアから支援を受けて実施。県外の大学生たちが準備段階から協力し、まつり本番にも県外の高校生や市への派遣職員らが加わり、まつりを盛り上げてきた。
一昨年と昨年も開催を目指してきたが、感染状況の見通しが立たず、中止を決断。今年、実行委では開催方針を固めた後、公民館関係者と複数回にわたり会合を設けるなど、慎重に調整を重ねてきた。
実行委によると、中心会場は例年通り盛町商店街通りとし、コロナ禍前と同様に山車の運行や展示、道中踊りなどを実施するほか、各種イベントを織り交ぜて活気を呼び込む。詳細は今後検討する。感染状況によっては中止する可能性がある。
例年は8月6、7日の実施だが、今年は6日に「三陸大船渡夏まつり」が開催されるため、7日の開幕とする。初日に七夕山車の「競演」や道中踊り、2日目に山車運行などを計画。震災後の運営を支える明治大学や立命館大学などの学生も受け入れる方針だ。
今後、各地域公民館単位での山車制作が本格化する。水野委員長は「2年間途絶えていたまつりを復活させ、子どもの思い出づくりにしたい。今年開催しなければ、経験した大学生がいなくなるとも聞いた。皆さんの協力を得ながら、ぜひ成功させたい」と話している。