2022参院選岩手選挙区/与野党対決軸の選挙戦へ 22日の想定公示日まで1週間

 22日(水)が想定される第26回参議院議員選挙の公示日まで1週間となった。岩手選挙区(改選数1)には、出馬表明順に自民党の新人・広瀬めぐみ氏(55)、立憲民主党の現職・木戸口英司氏(58)、NHK党の新人・松田隆嗣氏(48)、政治団体「参政党」の新人・白鳥顕志氏(51)、無所属の新人・大越裕子氏(58)の5人が立候補を予定。広瀬氏、木戸口氏の両陣営はすでに県内各地で街頭演説会などの前哨戦を活発に展開しており、与野党対決を軸とした選挙戦となる見通しだ。投開票は7月10日(日)が見込まれる。(八重畑龍一)

 

 広瀬氏は昨年11月に出馬を表明。気仙では、3市町を含む衆院岩手2区選出の鈴木俊一財務相の気仙地区後援会(鎌田和昭会長)や党の市町議らが支援し、5月14日には鈴木氏の国政報告会が3市町で開かれ、同席した。
 「岩手にめぐみ」をキャッチフレーズに、「岩手の創る力を伸ばす。人の力を引き出す」を掲げ、弁護士としての経験を生かし、児童福祉や子育て支援拡充など、女性や子ども政策の充実を訴える。
 各市町村の党支部と連携して選対支部を設置。地元盛岡市と北上市に事務所を開き、盛岡広域や八幡平、北上、宮古各市、矢巾町などに後援会を設立。平野達男元参院議員が選対本部長に就き、藤原崇党県連会長(衆院岩手3区)、盛岡一高の同級生・臼澤勉県議(紫波選挙区)らとも全県を回る。公明党や県漁連、県農政連、県医師連盟、県建設業協会などが推薦する。
 10日の花巻市での総決起大会には元防衛相の稲田朋美衆院議員が駆けつけ、激励。4月には、党の茂木敏充幹事長や高市早苗政調会長も来県。大物弁士も投入し、てこ入れする。
 木戸口氏は1月に再選出馬を表明。盛岡市と地元花巻市に事務所を開設した。選対本部長は小沢一郎氏(衆院比例東北)が務め、達増拓也県知事や党県連代表の横澤高徳参院議員の後援会と団結する。週末は達増知事が二人三脚で連動し、全面支援。各市で総決起集会や街頭演説会、国政報告会を重ねている。
 推薦する連合岩手と立民県連の合同選対本部を今月設置し、気仙では連合気仙が支援。5月上旬には後援会気仙支部(支部長・林﨑幸正住田町議)を立ち上げ、小沢氏に近い3市町の議員が応援。同28日には住田町で国政報告会を開き、達増知事とともに出席した。
 木戸口氏は「岩手を守り、日本を変える。暮らしと仕事の現場を守る」と説き、漁業、農業などの1次産業振興、福島第一原発事故の処理水海洋放出の政府方針再考を訴えた。
 共産、社民各党の県組織は木戸口氏を推薦する達増知事後援会と政策協定を結び、支援。国民民主党も党推薦は見送ったが、支持母体の岩手友愛会、県民社協会が本人と政策協定を結び、推薦する。
 白鳥氏は今月に入って出馬を表明後、県内を単独で回り、各地の党員らが運動を支援。14日は大船渡、陸前高田両市で街頭に立ち、「参政党のYouTube(ユーチューブ)やネット動画を見て、正しい情報を得ることが大事。若い人こそ目を覚まし、政治を変えよう」と呼びかけた。
 松田氏は5月、大越氏は今月に出馬の意向を表明したが、具体的な動きは見られない。
 今月1日現在の気仙3市町の有権者数は大船渡市2万9857人(男1万4244人、女1万5613人)、陸前高田市1万6103人(男7754人、女8349人)、住田町4484人(男2188人、女2296人)。全県では103万5945人(男49万5675人、女54万0270人)となっている。
 ※顔写真の並びは右から出馬表明順