2022参院選岩手選挙区/あす公示 与野党火花 広瀬氏…知名度向上へ組織戦 木戸口氏…野党共闘で支持固め ほか3人が出馬予定

▲ 公示をあすに控えた参院選岩手選挙区の候補者ポスター掲示板=大船渡市大船渡町

 第26回参議院議員選挙はあす22日(水)、公示される。岩手選挙区(改選数1)には、出馬表明順に自民党の新人・広瀬めぐみ氏(55)、立憲民主党の現職・木戸口英司氏(58)、NHK党の新人・松田隆嗣氏(48)、政治団体「参政党」の新人・白鳥顕志氏(51)、無所属の新人・大越裕子氏(58)の5人が立候補を予定。気仙地区でも広瀬氏、木戸口氏の両陣営が支持拡大へ活動を活発化し、今後、与野党対決を軸に火花を散らす。広瀬氏は知名度向上へ組織戦を展開。木戸口氏は実質的な野党共闘をバックに支持固めを図る。(八重畑龍一)

 

 広瀬氏は直近では5月14、15両日、衆院岩手2区選出の鈴木俊一財務相の国政報告会に合わせ、気仙3市町を訪れた。鈴木氏の気仙地区後援会(鎌田和昭会長)を中心に党関係の3市町議が連携して支援。新顔だけに、現職陣営を上回る数のポスターを張り、パンフレット配布を含め、知名度アップに力を入れる。知名度抜群の鈴木財務相も連動する算段を描く。
 女性弁護士としての経験を生かした法律面での児童福祉や子育て支援拡充を軸に訴え、沿岸に即した地域課題の吸い上げも図る。
 全県では党所属の県議が活発に動き、各市町村の選対支部に加え、女性、同窓生の人脈を生かした後援組織も立ち上げ、攻勢を強める。公明党や県漁連、県農政連、県医師連盟、県建設業協会などが推薦する。
 鈴木氏の気仙地区後援会役員は「相手は現職。顔を知ってもらい、まだ知名度を上げないといけない。どれだけこちらに票を寄せられるかだ」と気を吐く。
 木戸口氏は直近では今月17日、大船渡市で支持団体、企業の労働組合などにあいさつ回りした。後援会気仙支部(林﨑幸正支部長)の3市町議や連合岩手の推薦に基づき、連合気仙が連携して支援。ポスター張り替えやチラシ配布を進め、共闘する共産党議員も組織を挙げ、浸透に一役買う。
 全県ではかつて自身が政務秘書を務めた達増拓也県知事と連動。達増知事、横澤高徳党県連代表の各後援会とも団結する。秘書時代から県内を回ってきた経験・実績や、1次産業の振興策などを重点に訴える。
 共産、社民各党の県組織は達増知事後援会と政策協定を締結し、間接支援。国民民主党県連の支持団体は木戸口氏と政策協定を結んだ。いわて労連、岩教組、平和環境県センター、岩手友愛会、県民社協会などが推薦。実質的に野党共闘態勢を維持し、守りを固める。
 後援会気仙支部幹部は「相手は大組織。浸透するよう懸命に危機感を持って臨む」と気を引き締める。
 白鳥氏は所属する参政党員の応援を受け、県内各地で政治刷新を呼びかける。松田氏は公示後、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を中心とした活動を展開する。大越氏は具体的な動きを見せていない。
 今月1日現在の気仙の有権者数は、大船渡市2万9857人(男1万4244人、女1万5613人)、陸前高田市1万6103人(男7754人、女8349人)、住田町4484人(男2188人、女2296人)。全県では103万5945人(男49万5675人、女54万0270人)。