2海水浴場「特に良好」 広田と高田松原 県の水質調査結果(別写真あり)
令和4年6月22日付 7面

県は、本年度開設を予定する県内の水浴場のうち、規模の大きな10水浴場の水質等調査を行い、このほど結果を公表した。気仙では、7月16日(土)に海開きを予定する陸前高田市の広田と高田松原の両海水浴場が対象となり、水質が特に良好な「AA」の評価で「適」と判定された。
調査は4月21日~5月19日に、県環境保健研究センターが実施。同市の2カ所をはじめ、宮古市の浄土ヶ浜や釜石市の根浜海岸などが対象となった。
調査内容は、▽ふん便性大腸菌群数▽COD(化学的酸素要求量)▽油膜の有無▽透明度──の4項目。
今年3年ぶりの開設を予定する広田の結果は、ふん便性大腸菌群数が「不検出」、CODは1㍑当たり1・1㍉㌘(基準値は2・0㍉㌘以下)、油膜は「なし」、透明度は「1㍍以上」。これらを踏まえて「水質AA」の「適」と判定した。参考項目の水素イオン濃度は基準値内の「8・0~8・1」、病原性大腸菌O─157は「不検出」だった。
高田松原は、ふん便性大腸菌群数が「不検出」、CODは1㍑当たり1・2㍉㌘、油膜は「なし」、透明度は「1㍍以上」と、こちらも「水質AA」の「適」。水素イオン濃度は「8・0~8・2」、O─157は「不検出」だった。
また、広田、高田松原のいずれも、海水中の放射性物質濃度は放射性セシウム、放射性ヨウ素ともに「不検出」。空間線量率は砂浜の地表面、地上50㍍、同1㍍のいずれも基準値の1時間当たり0・23マイクロシーベルトを大きく下回る結果だった。
高田高が松原で清掃活動
県立高田高校(坂本美知治校長、生徒358人)の2年生51人は21日、東日本大震災からの復旧後は2度目となる海開きを来月に控える高田松原海水浴場で、清掃活動を行った。砂浜で石や流木を拾い、「多くの人に楽しい思い出をつくってもらいたい」と爽やかな汗を流した。
清掃活動は、同校独自のキャリア教育「T×ACTION PROJECT(タクションプロジェクト)」の一環で実施。復興や社会貢献、地域振興のあり方を探究する取り組みで、初めて同海水浴場で実施した。
津波被害から復旧した高田松原の海開きは、昨年に続き2度目となる。生徒らは、海水浴客が安心して快適に過ごせるよう、砂浜の石や流木、海藻などを丁寧に拾い集めた。戸刺夢希君(2年)は「きれいな海水浴場で楽しんでもらいたい」と話していた。