きょうされん全国大会in東北・いわて 障害者集い震災学び合う 最大2000人規模想定 9月30日、10月1日の2日間
令和4年6月22日付 7面

全国の障害者らが陸前高田市で学び合い、交流する「きょうされん第45回全国大会in東北・いわて」開幕まで、22日であと100日となる。最大2000人規模での開催を想定。東日本大震災後、多様性を認め合う「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を手掛ける同市から、震災の教訓と復興への歩み、支援への感謝を全国に発信する。主催関係者はポスターを掲示したり、大会テーマソングを制作するなど準備を進め、「陸前高田ならではの素晴らしい大会にしたい」と成功を誓う。(高橋 信)
イベント成功へ準備に力
日程は9月30日(金)、10月1日(土)の2日間。高田町の夢アリーナたかたを主会場に開催する。
テーマは「ここから つたえ つなぎ あしたを生きる─東日本大震災から11年目の『ありがとう』を全国に。震災の真実と教訓を未来へつなぐ─」。
1日目は、オープニング行事後、きょうされんの藤井克徳専務理事が基調報告する。続いて、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」をテーマに公開特別シンポジウムが行われるほか、踊りや歌で交流する「利用者フォーラム」もある。奇跡の一本松ホール、市コミュニティホールでは震災時の障害者の状況などをテーマにした映画上映会が開かれる。
2日目は▽働く▽暮らし・居住▽相談・支援──など14のテーマ別の分科会、被災3県から教訓を学ぶシンポジウム、トークセッションを開催。並行してeスポーツや発酵体験、震災学習など6コースに分かれ、市内外を巡るバスツアーも実施する。
市や気仙3市町の社会福祉協議会、きょうされん東北各県支部などでつくる大会実行委(委員長・戸羽太市長)は、震災支援への「ありがとう」の気持ちを込め、すべての参加者に各1000円分の商品券と地域ブランド米「たかたのゆめ(2合分)」を配る。飲食店などでは自慢の料理などを「きょうされんセット」として料金1000円で用意し、商品券を使いやすいようにする。
大会ポスターには、市ノーマライゼーション大使で、障害者アーティストの田﨑飛鳥さん=横田町=の絵画がデザインされ、コミュニティセンターや学校、事業所などに掲示。大会ホームページでは、大会ソングを視聴できるほか、新聞調にデザインしたリーフレットが掲載されている。
実行委は7月15日(金)まで、全国からの参加申し込みを受け付けている。運営を補助するボランティアも募集している。
きょうされんは、前身の共同作業所全国連絡会が昭和52年に発足。約1850カ所の会員事業所で構成している。
陸前高田市での大会は震災発生から10年を迎えた昨年開かれる予定だったが、新型コロナウイルス禍の影響で今年にずれ込んだ。今回で45回目を迎え、初めて自治体の首長が実行委員長を務める。
戸羽市長は「全国の障害者や家族、関係者の皆さんに本市に来てもらい、まちづくりに触れてもらいながら、意見や感想をいただくことで、『ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり』をさらに進めていくきっかけにしたい。思い出に残る素晴らしい大会になるよう取り組んでいく」と力を込める。
ボランティアに関する問い合わせ、申し込みは、所在する市町の各社会福祉協議会へ。電話番号は陸前高田市社協が54・5150、大船渡市社協が27・0001、住田町社協が46・2300。