対国11、対県14項目に 来年度の予算編成前に要望 新規に水門・陸こう維持支援
令和4年6月28日付 2面

大船渡市は、令和5年度予算にかかる対国、対県要望をとりまとめた。新型コロナウイルスの早期影響収束や地域課題解決を見据え、今回は国に対し11項目、県には14項目の要望を行う。対県要望では水門・陸こうの維持管理費用支援などを新たに盛り込んだ。
対国、対県要望は、国や県による次年度予算編成作業を前に、市が抱える諸課題の解決に向けた予算配分や事業実施を求めるもの。対国要望はすべて継続で、11項目。対県要望は新規2項目、継続12項目の計14項目で昨年度と同数。
対国要望のうち、新型ウイルスの影響長期化に対する支援では今回も、交流機会の減少や消費行動の抑制による閉塞感から、市民生活や地域経済全体に深刻な影響が続いている状況を指摘。市民生活や地域経済に最も身近な基礎自治体である市への配慮を求める。
特に、影響長期化で中小企業等が一層厳しい経営環境に立たされている現状を受け、事業者向け給付金の支給などを強調。継続的な財政支援も求める。
対県要望の新規項目のうち、水門・陸こうの維持管理費用は、東日本大震災に伴う災害復旧工事として21基の整備が令和2年度までにすべて完了したことに伴うもの。このうち、遠隔操作の陸こうが9基となっている。
3年度から自動閉鎖や遠隔操作などの運用・保守管理が始まっているが、電気工作物や機械設備には保守点検や定期更新が求められ、維持管理では震災前を上回る費用となっている。要望では「津波対策施設として将来にわたって安全・確実に稼働させるため、維持費用に対する財政支援に特段の配慮を」と訴える。
吉浜海岸の復旧整備は、震災後の海中がれきの確認や吉浜川からの落ち葉流入などによる海中の視界不良などを受け、海水浴場の開設を見送らざるを得ない状況の改善を求める。地域住民や市民から一日も早い復旧の声が出ている現状も掲げながら、安全に遊泳できる復旧整備をアピールする。
一方、昨年度要望した「大船渡漁港における係留岸壁の延長」は今年は見送る。県が水産流通基盤整備事業(国庫補助)の採択を受け、本年度から調査事業が始まることになった。
国要望は、今月から関係機関に対して実施。県要望は8月24日(水)に市内で予定している。
要望項目は別表。