「陸前高田ならでは」目指す 来年度再開のオートキャンプ場モビリア あす市内事業者と情報交換会 ㈱スノーピーク(新潟)が主催
令和4年6月28日付 1面

現在利用を休止し、県が来年度のリニューアルオープンを目指す陸前高田市小友町の陸前高田オートキャンプ場モビリアの指定管理予定者で、日本を代表するアウトドアメーカーの㈱スノーピーク(山井梨沙代表取締役社長、本社・新潟県三条市)は29日(水)、高田町の奇跡の一本松ホールで、市内事業者などとの地域連携に向けた情報交換会を開く。同社の構想を説明したうえ、陸前高田ならではのキャンプ場となるよう地元関係者と意見を交わす。食を含めた地域資源の活用を探るため、漁業・農業者など1次産業従事者の参加も募っている。(高橋 信)
一本松ホールで
同キャンプ場は県有施設で、県は今月23日、スノーピーク、設計、施工業者の計4者と施設整備事業にかかる基本協定を締結。改修工事は秋ごろの着手を予定している。
スノーピークの直営キャンプ場が開設されるのは県内初。約120サイト規模のキャンプフィールドを確保し、同社直営ストアではキャンプ用品などを販売する。
多目的広場やコミュニティースペースに加え、地元運営組織による観光案内や地場産品の直売所も開設する構想。復旧・復興への経過、仮設住宅が並んでいた同キャンプ場の軌跡など、防災・減災を学べる場の設置も検討する。現在あるドームハウス4棟を撤去し、代わりに宿泊可能なモバイルハウス「住箱」を3棟置く。
モビリアは、県が平成11年に開設。約22・4㌶の敷地に、売店などがあるセンターハウス、テントサイト108区画、多目的サイト1面、冷暖房や水回り設備を完備したケビン10棟、ドームサイト4棟などがある。
県によると、利用者数は平成21年度1万1637人、22年度1万3007人。震災後は避難所となったあと、テントサイトや駐車場に仮設住宅168戸が整備された。ケビンやドームハウスは復興工事関係者や行政職員らの宿泊施設としても利用された。
しかし、宿泊利用の減少や施設の老朽化などを受け、平成30年1月から営業を休止。仮設住宅は令和2年度に撤去され、県はテントの大型化やニーズの多様化に対応した施設を目指し、改修に踏み切る。
スノーピークは昭和33年に創業。高品質のアウトドア製品の開発や製造、販売を手がけるほか、キャンプ、アパレル、レストラン、地方創生などの各種事業を展開している。同社によると、直営キャンプ場は現在全国に6カ所ある。
子会社の㈱スノーピーク地方創生コンサルティングの藤島尚登ディレクター(44)は「震災被災地としての経験や教訓発信を一つのキーワードとしながらも、未来に向かってワクワクするような場所としたい」と見据える。
情報交換会は午後2~4時で、事前申し込みが必要。申し込みは、市観光交流課観光係(℡54・2111内線414)へ。