仮事務所の設置進む 上有住の滝観洞 平日の入洞 7月中に再開へ

▲ 駐車場近くへの仮事務所の設置も進む

 住田町上有住の観光地・滝観洞を管理する滝観洞観光センター(住田観光開発㈱運営)は、新施設整備に向けて受付棟の解体作業が行われている。現在、仮事務所の設置を進めており、入洞受け付けは土、日曜日のみとしているが、7月中の設置完了に合わせ、平日の受け付けを再開する予定。既存受付棟の解体は8月中旬ごろに完了する見込みで、来年度に新築工事が行われ、令和6年度に供用開始となる。(清水辰彦)

 

現施設解体も着工

 

解体工事が始まった滝観洞観光センターの受付棟

 滝観洞は日本有数の洞内滝を有する鍾乳洞で、昭和41年に洞窟開きが行われて以来、名物「滝流し蕎麦」や滝観洞観光センターとともに町内有数の観光資源として位置付けられている。
 全長3635㍍、高低差115㍍にも及び、国内屈指の鍾乳洞として知られる滝観洞。観光洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。
 町では、滝観洞周辺の魅力的な環境づくりを通じて持続的な観光振興を実現することを目的とし、老朽化した関連施設の再整備計画案作成を邑サポートに委託し、2年度に計画が策定された。計画ではハード・ソフト両面で段階的に整備を図っていくこととしており、昨年度に基本設計・実施設計が行われ、本年度8月中旬までの既存施設解体完了を目指している。
 受付棟の新設工事設計業務は、昨年10月の公募型プロポーザルを経て、アトリエハレトケ(長崎辰哉代表取締役)・武山大樹建築設計事務所(武山大樹代表)共同企業体に決定。同企業体は「おらいの滝観洞」として人が集い、やすらぎを感じる施設にと提案。テラスの配置や外壁に焼スギ板張りなどの採用も検討している。
 2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンター、事務スペース、倉庫を配置。2階には食堂や滝観洞の名物「滝流し蕎麦」の体験スペース、展望ラウンジ、テラスの整備を計画している。
 受付棟の仮事務所は、滝観洞観光センター駐車場近くで設置が進む。現在、入洞の受け付けは、施設の解体工事が休工となる土、日曜日のみとしているが、7月中の仮事務所設置完了予定に合わせ、平日の入洞再開を見込んでいる。
 冷涼を感じる観光地として夏場に人気を集める滝観洞。夏場に書き入れ時を迎え、行楽客らでにぎわいを見せる。住田観光開発の千葉孝文常務は「仮事務所が設置されれば平日営業も再開できるので、これからの暑い時期に、ぜひ涼みにきていただけたら」と話している。
 現在の受付時間は土、日曜日の午前8時30分~午後4時。「滝流し蕎麦」は新施設オープンまでは休業となっている。