夏空に銀鱗輝く 気仙川でアユ釣り解禁 県内外から多くの愛好者(別写真あり)
令和4年7月2日付 7面

陸前高田市と住田町を流れる気仙川で1日、アユ釣りが解禁となった。解禁を祝うかのような青空が広がり、待ち望んでいた釣り人たちが竿を伸ばして当たりの感触を楽しんだ。清流は夏の日差しの下で活気に包まれ、川面に銀鱗がきらめいた。大船渡市を流れる盛川は、3日(日)午前4時解禁となる。 (清水辰彦)
「アユの宝庫」として知られ、毎年7月1日の解禁日には内陸部からも多数の愛好者が訪れる気仙川。今年も前日から、川沿いには県外ナンバーを含む車両が並んで解禁を待ちわびた。
解禁の午前4時を迎えると、釣り人たちはあらかじめ狙いをつけていたポイントへと足を運び、続々と釣り糸を垂らした。
同日は日本海側の天候不良などもあって、愛好者が気仙川に集中。気仙川漁協によると、昨年を大幅に上回る約700〜800人ほどが訪れたという。
釣果も初日にしては上々で、各所で「型がいい」という声も聞かれた。今後、降雨で水量が増加すれば釣果はさらに上向いていくとみられる。
雫石町から訪れた佐々木和彦さん(58)は、世田米の田ノ上橋たもとで竿を振るった。「秋田に行こうかと思っていたが、こちらの天気がいいので来てみた。気仙川のアユは型がいい。魚影も濃いし、今年の釣果を占う意味で楽しみたい」と話していた。
気仙川にかかる世田米の昭和橋は架け替え工事を控えており、アユ漁解禁期間終了後の今秋以降に現橋の解体工事が着工となるため、アユ釣りでにぎわう気仙川と昭和橋の共演は今年で最後となりそうだ。
毎年、昭和橋やその周辺で草取り活動を行っている地元老人クラブ・愛宕喜楽会の佐々木義郎さん(84)=住田町世田米=は、同橋付近で釣り糸を垂らした。解禁間もない午前6時の時点ですでに10匹ほどを釣り上げ、「型もいい。今後にも期待したい」と笑顔。「小さい時からこの辺りで遊んできたし、釣りもずっとこの場所でやってきた。ここでアユ釣りをするのは今年で最後かな」と思い出に浸りながら釣りを楽しんでいた。