持続可能な体制確立へ 休日の中学部活動地域移行 市体協の実践活動本格化(別写真あり)

▲ 柔道では学校の枠を超えた乱取りも

 休日における中学部活動の段階的な地域移行に向け、大船渡市体育協会(鈴木利男会長)による地域運動部の実践活動が9日、市内で始まった。陸上競技部(4中学校合同)と剣道部(大船渡一、末崎)、卓球部(大船渡一)、柔道部(大船渡一、大船渡)、バドミントン部(東朋)が対象で、市体協から委託された地域指導者が中心となって技術向上などを支える。来年1月まで、持続可能な体制確立を目指す中での課題や、その解決策を探る。(佐藤 壮)

 

 実践活動は、県による本年度の地域運動部活動推進実践研究事業の一環で、県内では市体協のみが行う。スポーツ庁の有識者会議が令和5年度から3年間で、休日の運動部活動から段階的に地域移行していくことを基本とした提言案を取りまとめるなど、生徒の父母会組織だけでなく、競技団体や総合型地域スポーツクラブ、文化芸術団体など学校外の受け入れ体制整備の必要性が高まっている。
 研究事業は、学校の部活動に代わり、地域の特色に応じた休日部活動の仕組みを構築するのが狙い。生徒が自主的・自発的に部活動に取り組むなど、多様なニーズに応える環境づくりを見据える。
 市内では7日に県地域部活動検討・運営会議が開催され、本年度の研究事業実施方針を確認。9日は対象中、柔道と卓球、バドミントンの活動が行われた。
 柔道は大船渡高校を会場とし、大船渡一と大船渡の両生徒に加え、同高校の柔道部生徒も参加。指導は、市体育協会から委託された時習館柔道スポ少の関係者が担った。
 この日は学校の枠を超えた乱取りに加え、中学校から競技を始めた生徒に対して高校生が教える光景も。指導に立った同スポ少の佐藤朋亨さん(49)は「さまざまな選手と乱取りができるのは、やはり良いこと」と、とらえる。

父母会主体の運営で行われた卓球の活動

 大船渡一中の卓球部は、同校体育館で練習試合を実施。この日から土曜日は父母会組織が施設管理を担うことになったが、中学生の活動自体には目立った変化はなかった。
 地域指導者となる市卓球協会の菅生光輝さん(41)は「学校部活動として受けた対外試合の取り扱いなど、今後調整は出てくると思う」と語る。
 菅生さんは実践事業の流れとは別に、昨秋から同校コーチを務めてきた。「実情を考えれば、休日の勤務が多い父母らの負担や、土曜日の指導を引き受けられる指導者の確保など、難しい部分も出てくるのでは。大船渡一中の場合は、スクールバスの問題もある。活動したい子どもたちが父母会や指導者の事情で制限されることがないようにしなければ」とも話す。
 剣道の活動は10日から本格化。研究事業ではさらに、中学部活動にはない「特設陸上部」を開設する。校外活動部として技術向上に励む環境整備を目指し、市陸上競技協会員が地域指導者となる。
 今月31日(日)から毎週日曜日午後に、盛川河川敷公園や大船渡高校で活動。市内4中学校に在籍する1〜3年生の希望者を20日(水)まで受け付け、すでに運動部活動に所属している生徒も参加できる。
 市内では地域移行対応だけでなく、少子化に伴う部員数減の影響も広がっている。市体協では各活動を通じて浮かび上がった課題の整理に加え、地域団体が担う業務や指導者の確保といった体制整備に取り組む。保護者らに対するアンケートも予定している。